新日本ニュース第96号
1.国民体育大会開く(金沢)
地方進出初の第2回国民体育大会秋季大会は、10月30日から5日間、金沢市を中心に七尾、小松などの24会場で、12.000の選手が参加して行われ、珍しく好天に恵まれた北陸で、13種目の競技が競われた。
第2回国体。高障害快勝(11月3日金沢市競技場)。1位木南道孝(大阪)16秒5。100メートル快勝(11月2日金沢市競技場)。1位生駒一太(福岡)11秒1(大会タイ記録)。棒高とび決勝(11月2日金沢市競技場)。1位沢田文吉(岐阜)3メートル90(大会新記録)。女子走幅跳び決勝(11月3日金沢市競技場)。1位山内リエ(京都)5メートル79(大会新記録)。女子砲丸投げ決勝(11月3日金沢競技場)。1位児島フミ(鹿児島)11メートル2。そのほか行われた自転車、馬術障害、ヨットの各競技。
2.ヘボン博士記念祭
1859年(安政6)に来日し、1867年(慶応3)最初の和英辞典を完成したジェームス・ヘボン博士をしのぶ記念会が、夫人が開いたヘボン塾の後身である明治学院創立70周年を兼ねて、11月3日正午から日比谷公会堂で開催された。ヘボン記念会。場内に参集の来賓や学生たち。メッセージを読む片山哲首相。賛美歌を合唱する女子学生。チャペルのある明治学院構内。ヘボン博士が完成した最初の和英辞典『和英語林集成』初版原稿。明治学院初代総理ヘボン博士の肖像。
3.小磯被告証人台へ 東京裁判
東京裁判・小磯国昭部門の個人審理は、10月31日から5日間行われ、小磯被告自身最初に証人として出廷し、3月事件から内閣総理辞職までの小磯口供書をブルックス弁護人が朗読した。市ヶ谷法廷。証言台へ向かう小磯国昭被告(元陸軍大将、朝鮮総督、首相)。小磯口供書を朗読するアルフレッド・W・ブルックス弁護人。
時の話題
4.衛生列車
厚生省主催の「汽車による衛生展」が、11月1日から全国で開催されることになり、11月1日、原宿駅の開会式には皇后陛下も行啓された。同展、3台の客車を改造して、病気の経路、栄養、看病など衛生に関する資料を備えつけ全国を巡回する。汽車による衛生移動展。11月1日原宿特別駅の開会式。車内の衛生に関する展示をご覧になる皇后陛下と高松宮殿下。
5.憲法記念館 早変わり
明治天皇が憲法制定の審議にあたられ、その後、赤坂離宮の別館ともなった明治記念館は、結婚式場に衣がえして11月1日から開業し、人生のスタートをきるカップルでにぎわっている。明治記念館の結婚式場。髪結いの花嫁や廊下を行く花嫁。神前結婚式のカップル。
6.重税反対 映画人デモ
税率の引き上げで、11月1日から入場税が15割に改正されて、普通封切館の入場料は25円になった。これに対して映画・演劇界では、労資ともに税率引き上げに反対し、9月26・30の両日、税撤廃のデモを行った。日比谷界わいや国会付近をデモ行進する映画・演劇関係者。首相官邸に入る代表者。「個人としては賛成するが、乏しい財政状態なので協力を得たい」と陳情代表者に語る片山哲首相。
7.平野農相 罷免さる
片山哲首相は、11月4日、閣内非協力を理由に、初の閣僚罷免権(新憲法68条)を発動し、平野力三農相を罷免した。社会党内の実力者である平野農相の退陣は、社会党首班の連立内閣である片山内閣の前途に波紋を投げた。
New Nippon news No.96