新日本ニュース第95号
1.十一月の声(北海道、福島)
どこよりも早く雪をいただいた北海道十勝の山々は近づいた冬の気配を感じさせ、札幌の街では街路樹の落葉掻きを行っている、東北の山では今炭焼きがさかんである。
2.1800円ベースで流会(全逓、国鉄 公聴会)
全逓、国鉄調停委員会の公聴会は10月29日東京芝の労働会館で開催され土橋全逓委員、和田安本長官、聴濤中労委員出席し1800円ベースを囲り議場混乱し末弘中労委員長は遂に中止を宣言し僅か30分で流会となった。
3.ソ連検事満洲問題を追及 東京裁判
ソ連抑留中の武部元満洲国総務長官が10月27日、28両日証人として出廷、イワノフ検事は関東軍の対ソ連計画について追求し次いでプレークニー弁護人が反対訊問を行った。
時の話題
4.“猿が島”異変(東京)
上野動物園で猿の大邸宅に豚、猪が同居しているが猿は同居人に馬乗りになって得意でいる。
5.馬まつり(千葉)
佐賀町の馬祭りは馬の両側に二人の人間がぶら下がって突っ走る変わったお祭りである。
6.打ちました水谷(東京)
10月24日片山首相の始球式で開始された衆議院と参議院の野球試合では新調のユニフォームに身を固め珍プレイ続出、ピンチヒッター水谷大臣は二塁打をとばした。
7.タバコをめぐる人々
タバコをめぐる世相は愈々深刻で暁方の行列買いは依然たるものであるが又も値上げの発表で闇値は60円にハネ上がり、吸い殻を拾う人が殖えたが、これはほぐして巻く私設専売局から更に売出されるので、三角くじでタバ
コを当てようと俸給生活者は焦りタバコをめぐって悩みは果てない模様である。
8.六大学野球 慶明1回戦 慶5A-4明(東京)
秋の六大学リーグ戦の覇権をかけた慶明第1回戦は10月25日神宮球場で学行、四回まで両軍得点なく5回の表明治2点を先取、つづいて慶應6回の裏で2点を返し7回1点8回2点と追加し明治は9回に2点を加えたが及
ばず5対4で慶應の優勝となった。
New Nippon news No.95