新日本ニュース第72号
1.幾春別炭坑全焼す(北海道)
5月16日、北海道空知郡幾春別の市街地から発火、強風にあふられて炭坑地帯に延焼、更に隣接の奔別炭坑にも燃え移り向う約一ヶ年仕事が出来なくなったといわれている。
2.二百町歩埋没 地すべり続く(新潟)
5月19日の朝、新潟県西頸城郡権現岳の麓に地すべりが起り時速2メートルの速度で家や立木を押し倒し既に2百町歩を埋没、3日目になってなを続いている。
3.今週の東京裁判
5月16日、東京裁判の法廷ではソ連関係の諸問題についてラザラス弁護人が冒頭陳述を行い、ソ連関係者は一段と緊張の色を示した。
時の話題
4.アユ釣りはじまる(静岡) 5月16日、静岡県狩野川でアユが解禁になったが、このアユその日のうちに東京に現れて百匁百五十円という。
5.国宝焼く(京都) 5月17日朝、京都東山の名刹智積院が焼け、山楽のビワの図など16面は惜しくも焼失した。
6.市長さん カメに乗る(門司) 5月13日から3日間行われた門司のみなと祭で、中野新市長は浦島太郎に仮装して市中をねり歩いた。
7.小グマとカンガルー(東京) 東京上野の動物園に熊とカンガルーの赤ちゃんが生れ、子供たちの人気を集めている。
8.労働歌で進水式
争議中の日本鋼管鶴見造船所の労働者は5月17日、争議中でも自分達で造った貨物船は自分達で進水させるのだと、労働歌を高唱しながら進水式を行った。
9.第一回国会 早くも難航
吉田首相の社会党左派排撃から予定の四党連立がひっくりかえり、首班問題は依然として予断を試さない。開会当夜9時になって参議院ではようやく松平恒雄氏が議長に、衆議院では10時になって松岡駒吉氏が議長にき
まった。さんざん待された傍聴人の声をきくと『いつまでもごたつかないで1日も早く国民の安心のゆくようにして貰いたい』と答えた。
New Nippon news No.72