中日ニュース第360号
インドの皇太子ご夫妻
アジア、アフリカ四ヵ国歴訪中の皇太子ご夫妻は、十一月二十九日プラサド大統領、ネール首相らに迎えられてニューデリーにお着きになりました。
インドは十八世紀の末以来、イギリスの支配下にあり、百年にわたる独立運動の後、一九五〇年独立の共和国となりました。総人口実に三億五千万人、その八割が農業に従事し、ほとんどの人が文盲といわれています。
反面聖なる牛で物語るこの国は偉大な仏教の国でもあるのです。インドの現実を見て歩かれるご夫妻はニューデリーの北東にあるニスタリー村におもむかれ、歓迎を受けたご夫妻はヒタイに真赤な粉をぬられました。これは
ヒンズー教徒が大切なお客に祝福を与えるためにつけるといわれています。
インド人は日常の生活を主に街頭に求めます。そこかしこで理髪店を始め店屋が商いをしているのです。
この国の職業はほとんどが世襲といわれ、洗濯屋は孫の代まで洗濯屋というのが多い様です。
こうしてご夫妻は十二月六日には最後の訪問地ネパールに向ったのです。
雪と氷の狂騒曲
本格的な冬の訪れが待ち切れぬという気の早い江戸ッ子たちがつめかけて、東京ではスケート場も室内スキー場も超万員です。
この冬できあがった四千人のマンモススケート場も大変な人気を集め、華麗なスケーティングをみせるヴェテランから、シリモチと「シンチュウみがき」を自慢とする初心者までそろって屋根の下の冬を楽しんでいます。
世界一とやらの室内スキー場では、お月見もできると徹夜スキーを売りだしました。ところがここへ千五百人ものスキーヤーが押しかけ、さすがのゲレンデも超万員。オールナイトで行われたスキー狂騒曲のすさまじさをご
らん下さい。
どこへ行ったテレビ公約
天皇専用の正面玄関を使って代議士気分を存分に味わおうという招集の日。話題の一年生議員さんも晴れの舞台へぞくぞく登院、夢にまでみた赤い金バッチを胸に、さっそうたる面持です。満面に喜色を漂わせながら、頭も
自然さがります。
二十三人の新人を擁した社会党の代議士会にひきかえ、小会派に転落した民社党では、沈思黙考する幹部連の顔色を伺いながらここの新人はかしこまっています。だが、かんじんの国会運営の方は自民党が清瀬議長を主張し て譲らない為、すったもんだと云い云い三日間を空費する始末。八日未明、暁の本会議でやっと清瀬議長に落着、次いで池田さんが首班に指名されましたが、平大臣の処遇と天ビンにかけるほど議長の権威は低いものでしょう
か。三権分立の建前もテレビ公約もすでにかげがうすくなったようです。
Chunichi news No.360