中日ニュース第358号
新雪を染めた富士遭難
十一月十八日、富士山の山梨側で巾百メートル、長さ一キロという大なだれがおこり、早大山岳部員ら五十五人がまきこまれて十一名もの犠牲者をだしました。
六年前の東大山岳部のなだれ大遭難と時も場所もほとんど同じ、再び繰り返された悲劇の原因をうきぼりにしながら現地の模様をお伝えします。
イランの皇太子ご夫妻
十一月十二日、イラン、エチオピア、インド、ネパールのアジア・アフリカ四ヵ国訪問の途についた皇太子ご夫妻は、十四日夜、夜目にも鮮やかな日の丸の歓迎を受けてイランの首都テヘラン空港にご到着、早速王宮でパー
レビ国王、ファラ王妃へ訪問のごあいさつをされたご夫妻は浩宮、アリ王子と、お子様の話で歓談の一時を過されました。
翌十五日からは上院、赤十字などを訪問、一方町では日の丸をかかげ、テヘランの新聞には日本文字で歓迎の字がすられ、日本の若いプリンス、プリンセスを温い歓迎で包んでいます。
そして十八日からは、ペルセポリスの遺跡へ行かれ、過去三千年を通じ、ペルシャからイランへそして幾多の外来民族の支配を受けたにもかかわらず、独特の民族性と特殊な文化を維持してきた古代ペルシャ文化の遺産を見 学されました。
政局再び二大政党へ(札幌・東京・愛知・三重・広島・山口)
十一月二十日衆議院総選挙の投票は全国一斉に行われ、国民の審判が下されました。
即日開票の結果が刻々と判明する二十日の夜、自民党本部にいは池田総裁以下党幹部がつめかけて戦況をみつめていましたが、ほぼ予定どおりの出足をみて、満足したような顔つき。
自民・民社のはさみうちで、心配顔の社会党は、すべり出しが意外なほど好調で、江田書記長など党幹部は、手を叩いて大喜び。
それにひきかえ、最初から軒並み落選の民社党では、党幹部も口唇を噛むばかりで、声もなく、お通夜のような一夜を明かしました。
政権への足固めと豪語した民社党も当選者はわづか十七名、一挙に小会派へ転落することとなり、新しい政局は二十三名増の一四五名を当選させた社会党と、再び絶対多数を獲得した自民党の二大政党の対立によって展開さ れることになりました。
Chunichi news No.358