中日ニュース第357号
ねばりの早大優勝(東京)
波乱万丈。六度び決戦にまで持ち込んだ秋の東京六大学野球早慶両校による優勝決定戦。戦後六大学野球が復活して以来、神宮の森に初の徹夜組まで操り出し、入場者はのべ三十五万とこのところ低調の学生野球を一ぺんに 吹きとばす盛況をみせました。
試合はもつれにもつれ早慶戦で優勝は決まらずついに優勝決定戦、十一月九日の決定戦は一対一の日没引き分け、つづく十一日の両試合は〇対〇の日没引き分け、そして三度び早慶両校相まみえること六度び、早大は慶大の 先発角谷をはげしくゆさぶる先制攻撃。守っては四連投という驚異のはなれわざをみせた鉄腕安藤が、はやる強打の慶大打線を押え、ついに早大は三シーズンぶりに通算二十回目の優勝をかざり数々の話題を巻き起した熱戦の
幕を閉じたのです。
外交に新しい波(アメリカ・東京)
全世界の注目を集めたアメリカ大統領選挙は、弱冠四十三才民主党ケネディ氏の勝利となりました。フルシチョフに押しまくられるアイク政権へはぎしりをして来たアメリカ国民は若きケネディに希望を託したものとみら
れ、ヌーベルバーグの出現によって国際政治も新しい場面を迎えることになりました。
このケネディの勝利にあやかってか、総選挙中の日本でも三党首がテレビ討論会を開き外交政策で大論争をくりひろげました。さてこちらはいずれに軍配があがることでしょうか、総選挙の審判が下されようとしています。
日本の群像
白衣のスト(東京)
東京を中心にして起った病院ストは全国的にひろまり、政治問題にまで発展しようとしています。
その大きな原因は、看護婦さんとその他従業員の低賃金です。その職場は“博愛と奉仕”で貫ぬかれ、献身そのもの、そして民間病院では老後の保証もありません。
寮はドアの開閉も満足に出来ず、仕事は重労働です。一つの手術に三時間も立ち続けで緊張の連続。この為、一般の平均寿命より十年近くも短かいとさえ言われています。
これでは、看護婦の本分を果すことは出来ないと、一万円の最底保障とベース・アップを要求。しかし、経営者側は現在の医療制度の下ではとても困難と回答しました。
それで十四日には第三波の実力行使。いわば看護婦さんの人間宣言です。根本的な治療と予防措置が講じられない限り、病院ストは容易に全快しそうにありません。
Chunichi news No.357