中日ニュース第345号
スポーツ
ローマの日本選手
八月十二日ローマチャンピーノ空港は、優勝の呼び声高い日本体操チームの到着というので派手に押しかけた報道陣などでちょっとした日本ブーム、高々と日の丸をかかげた小野選手を先頭に、元気にクラップをおりた一行
十七人は、さすがに貫禄も十分。又翌十三日には水上陣も着き、到着後練習でケガをした山中の傷もまずは大丈夫とのことであとは開幕を待つばかり。やがてローマの空高く日章旗がひるがえる日を望みたいものです。
小人のプロレス(東京)
キーロックに飛行機投げそしてとびけりと勇ましいリングの上の肉弾戦といってもこれは巨漢レスラーならぬ身長一米の小人プロレス。名は体を表わすとはよく云ったアメリカ生れのキューピット、ダイナマイトの異名を持
つカナダ生れのハゲ頭スカイ・ロウロウなど四人が珍プレーをリングせましとくりひろげお客さんはまさに笑いの天国、ショーマンたっぷりの試合を見せます。
カメラ・スケッチ
台風シーズン(神奈川・静岡・愛知・三重)
二百十日の訪れと共に早くも台風シーズンがやってきました。
静岡県島田市郊外の白井村は、去る十二号台風の集中豪雨により甚大な被害をこうむりました。
崩れ落ちた土砂は、家もろとも押し流し今なお多くの生命を埋め、この地域だけでも十六名の死亡者を数えました。
また、愛知県三河一色では、たてつづけの台風襲来を前に救助訓練。伊勢湾台風以来、この地方の人々にとっては、秋は恐怖のシーズンの様です。
岐阜県輪中の、田んぼの中に威容を誇るビルディング。これは山本さんが全資産を投じて自ら設計した安全保障の青写真です。
一方、鍋田干拓は、今もなお廃墟と化したまま、当時の美田は偲ぶよすがもない有様。里帰りしていた人々もようやく帰農して、これからまた苦節十年再起の努力が始められました。
日本の群像
硫黄岩にいどむ(北海道)
阿寒国立公園の主峰雌阿寒岳(一五〇三米)は今なお不気味な火山活動を続けています。この火山の危険な噴火口にも、七十名の男達が働いています。それは硫黄採掘所の炭鉱作業員たちです。地面からあらゆる岩のすきまから噴 煙や熱湯がふきでています。その中で大変な暑さとそして目やのどを冒す亜硫酸ガスと斗いながら、炭鉱作業員達は激しい労働を続けているのです。
硫黄は、近代化学工業にとって欠くことが出来ません。しかし天然資源に乏しい日本では危険を承知で堀りつづけねばならぬといわれています。
地獄絵図をおもわせる噴火口で繰りひろげられている硫黄採掘のもよう。そして作業員宿舎での生活などさいはての火の山で、近代化学工業の陰の担い手としてもくもくと働き続ける炭鉱作業員たちの生活ぶりを追ってみました。
Chunichi news No.345