映像チュウニチニュースダイ340ゴウ V1H2520200628

中日ニュース第340号

撮影年月
1960年(昭和35年)7月
コレクション(提供者)
中日ニュース
撮影
発行
中日ニュース映画社
製作
中部日本新聞社 中部日本ニュース映画社
配給
時間
8分42秒
米国国立公文書館オリジナル番号
館内限定公開 色彩無 音声有 貸出不可
内容

真夏のいろどり(東京・江の島・京都・広島)
 ことしもまた、両国川開きの花火大会が夜空をいろどり、本格的な夏をつげれば、十七日の日曜日、湘南海岸は五十万の人出。ゴムボートも万員電車さながらで、水難者は増える一方です。
 またこの日、滝びらきを迎えた広島県下川辺の三郎滝。
 豆カッパがとっと押しかけました。はやしやかけ声も高らかにこちらは、祇園まつり。
 日本三大祭りの名にふさわしく都大路をゆく山ボコは、けんらんそのもの京の町は二十万の人波でにぎわいました。
誘かい鬼本山捕わる(大阪・東京)
 東京の尾関進さんの長男雅樹ちゃんを去る五月十六日誘かいして、殺害した犯人本山茂久は、七月十七日大阪で六十三日ぶりに逮捕されました。
 本山は大阪・布施市のハンド・バッグ業、広川さん宅に住み込み、工員として潜伏していたもの。
 物々しい警備で、東京へ着いた本山は報道陣のフラッシュと子を持つ親の憎しみの声にもみくちゃにされながら捜査本部へ。
 取り調べに入って、本山は犯行を否認して、共犯者がいると言いはっています。
 折から雅樹ちゃんの命日を迎えたお父さんは墓前で本山逮捕を告げ冥福を祈りました。
大づめの三池争議(大牟田)
  ホッパーの仮処分執行をめぐる三井三池の労働争議は、いよいよ凄惨な攻防を極めようとしています。名にし負う全学連の到着を筆頭に、九州、四国、近畿からぞくぞく支援労組が到着。一方警察側も一万人を動員して大牟 田に集結。戒厳令さながらの光景を見せています。
  こうした中で仮処分の執行は日一日とのび、事態は緊迫の度を深めるばかりです。
  こうした成行を心配した中労委は三度目の職権あっせん。
  「休戦後の最終案に異議を申立ない」と申入れましたが、労使に今一歩の歩み寄りが期待されています。
池田新内閣誕生
 官僚派をひきいて、決戦場に乗り込んだ総裁候補の池田さんは敵方の大野さんにも腰をかがめ、頭を下げる低姿勢。参謀の佐藤さんが党人派恐るるに足らずといよいと決戦投票です。
 こうした背景の中で、池田さんが圧倒的勝利を得、さっそくお祝いのパティーが首相官邸で開かれましたが、岸さんが暴漢に刺されるという事件が発生。
 掴まった犯人は自民党に出入りしていたといわれ、岸さんは引退の花道を自らの血で染めることになったのです。
 かくて、七月十八日首班指名をうけた池田さんは首相官邸にのりこみ組閣工作を開始。
 派閥ごとに大臣のワクを配給して、開始以来、わずか六時間という短時間で、官僚名簿を発表する手際のよさです。
 適材適所というほどでもなく、やっかいな派閥を低姿勢でとりまとめた新内閣の誕生です。
 どうせ選挙までの命とは言うもののモーニングの着心地はまんざらでもないようです。

原文

Chunichi news No.340