中日ニュース第339号
若の花九度目の優勝 大相撲名古屋場所
大相撲名古屋場所では、若の花が、千秋楽結びの一番に、朝潮を堂々寄切り、九度目の優勝をなしとげました。その取口にはひところの力強さこそみられませんが、今や円熟の境に達して大横綱の貫録充分。なみなみと祝い
酒をつがれた大賜杯を手にして若の花は日本一の笑顔を浮べていました。
台風に備えて(名古屋)
ことしも台風シーズンに備え去る十日、名古屋で送電、変電、配電の大がかりな総合復旧訓練が、行われました。
この訓練には、作業員五十五人、クレーン車、ハシゴ車など十七台の機動隊が参加して、一時間余りで完全に復旧作業を終了。このあと機動部隊が盛んな市内パレード、“備えあればうれいなし”の意気を示しました。
日本の群像
平和行進団(岐阜・三重・愛知)
八月に東京で開かれる、第六回原水爆禁止世界大会をめざして歩き続ける南は沖縄から北は北海道まで一万キロに及ぶ平和大行進が、去る四月二十一日沖縄与論島を皮切りに雨の日、風の日、歩き続けること八十余日、そし て参加人員すでに二百数十万人全コースの2/3を経て、七月八日岐阜県関ヶ原、三重県四日市から十一日には愛知県名古屋市で沖縄、四国、紀伊、北陸の四コースが合流。
平和を求めるただ一すじの道は村ぐるみ、町ぐるみすべての人々の良心を動かし、各地で迎えられる暖い友情のきずなは、世界の良心に何んな反響をもたらすことだろうか。
カメラ風土記
相馬 野馬追い(福島)
ここは夏草しげる相馬六万石の城跡。奥州一円に君臨した相馬藩主は、優れた馬の産地であるこの土地に野馬を狩り、乱に備えたと言われています。
だが、幕府の猜疑をうけることとなり、鎮守、妙見神社の祭礼となったのです。
毎年七月十一日が来ると近在の農家では、家宝の旗、甲冑をとり出し、伝統の野馬追に馳せ参じます。
農耕にかくことのできない馬であってみれば、過去数百年、農民がこの行事に寄せてきた愛着もまた、一層深いものがありました。
翌、七月十二日、いよいよ出陣の時がせまりました。ヒズメの音も勇ましく、総勢五百余騎が雲雀ガ原へ出陣。神旗を追って果敢な争奪戦が展開されます。
軍馬の備えに始まり、農耕馬に受けつがれた野馬追いはトラクター時代にも農民の郷愁の中に生きてゆくことでしょう。
Chunichi news No.339