映像チュウニチニュースダイ336ゴウ V1H2520200624

中日ニュース第336号

撮影年月
1960年(昭和35年)6月
コレクション(提供者)
中日ニュース
撮影
発行
中日ニュース映画社
製作
中部日本新聞社 中部日本ニュース映画社
配給
時間
8分10秒
米国国立公文書館オリジナル番号
館内限定公開 色彩無 音声有 貸出不可
内容

巨人、中日を急追(後楽園)
 0ゲーム差二・五をめぐって
 はげしい首位攻防戦をくりひろげた東京後楽園での中日・巨人三連戦、第一戦大矢根のテンポの早いピッチングに巨人打線は、わずかに宮本のホームランのみで完敗、翌第二戦は巨人の秘密兵器青木の妙投で逆に中日打線が沈 黙、一方巨人打線は中日の繰り出す伊奈以下四投手にタイムリーをあびせ一勝一敗に持ち込みました。
  この一戦とすべてをかけた第三戦中日巨人共に阪東・堀本両エースの投板から六回裏巨人の主砲長嶋が実に三十六日ぶりに、レフト中段に決定的な2ランをたたき込み、中日を圧倒、しかし中日もエース堀本に巨人を上まわ るヒットをあびせながらものに出来ず結局連敗、このカード一勝二敗と敗け越し差は一・五ゲームにつまり首位争いもますます激しくなってきました。
激動する八日間 安保新条約自然承認
  六月十五日の国会流血事件は衝突と呼ぶにしては、余りにも悲惨な出来事でした。そしてこの事件が事態の上に重大な転機をもたらすことになったのです。悪夢のような一夜があけ、樺美智子さんが死んだ国会南門へ、小雨 をついて焼香の人々が続いているころ、岸総理はアイク訪日の延期を発表したのです。
  こうしてせっぱ詰まったふん囲気の中で、十七日、社会党の河上丈太郎氏が暴漢に刺されるという事件が発生、激昂した社会党は院内大臣室に殺到、浅沼委員長は岸退陣を激しくせまりました。しかし政府自民党は安保議決 成立を計り、参議院は再び、三度もみあいとなりましたが、社会党の強硬な反対で、強行突破による議決成立は断念しました。
  しかし、新条約の自然成立は刻一刻と迫り国会周辺はデモの波で立錐の余地もありません。昼から更に夜へ、三十万人という空前の国会デモが続けられましたが、ついに六月十九日午前零時、新安保条約は自然成立し、最も 不自然な誕生をみたのです。
  この一時を待ちに待った岸さんはまことに嬉しそう。しかし官邸の外では徹夜の坐りこみを続けて来た学生達は夜明けと共に再び激しいデモを始めました。
  この日の午後激動する日本を素通りにしたアイクは京城へ到着。一〇〇万の市民の熱狂的な歓迎をうけました。訪日中止沖縄の“日の丸デモ”など御難つづきのアイクにとって京城市民の歓迎はことさら喜ばしかったようで す。
  翌二十日、政府自民党は極秘裏に参院安保委、及び本会議を開き、一言半句の審議もぬきで、安保関係法案を単独採決してしまいました。社会党など野党四派は激昂政府与党は自ら国会正常化を絶望的な事態に陥れてしまっ たのです。
  二十二日は総評十九次統一行動デー。この日は早朝からあらゆる交通機関が整然とストライキに突入、国鉄・私鉄は勿論、都電、都バスからタクシーまでが参加、はばの広いゼネストとなりました。
  激動するこの一週間の一コマ一コマが歴史の変転期の重要なモメントになることでしょう。

原文

Chunichi news No.336