中日ニュース第334号
伝統の古典バレー(東京)
ソ連の大型ジェット機で二百年の伝統を誇るレニングランド・バレー団一行百十八人が来日しました。
舞台は最も得意とする“白鳥の湖”第二幕、オデット姫と王子のデュエットです。オデット姫にはドジンスカヤさん、王子には振付けのセルゲーエフさんです。
豊かな抒情と気品に満ちた古典バレーは日本のバレー・ファンをすっかり魅了したのです。
ジュガール・ヒマールを行く
荒々しい氷河の果てにそそりたつ神々の座―
ジュガール・ヒマール。その主峰ビッグ・ホワイト・ピークをめざす全日本ヒマラヤ遠征隊は、青い氷と底知れぬ割れ目が続く氷河の道を登って行きます。
四月中旬、麓にベースキャンプを張ってから、雪と氷との斗いいがつづけられてきました。最後の前進キャンプに来ると、巨大なヒマラヤのなだれが絶えず襲ってきます。
しかし、頂上を目前にひかえ、たのみの天候は最悪の状態に至りました。ここに遂に主峰を断念。七〇〇〇メートルに近い二つのピークの登頂をおみやげに、遠征隊は帰国の途についたのです。
退陣せまる“声なき声”(札幌・東京・広島)
安保阻止六・四ストが行われた日、札幌では、いたたまれず台所をとびだしたお母さんたちが抗議大会を開き、“声なき声”を聞いて下さいとデモ行進をしました。
原爆の地広島では、およそ一万人が平和公園に集まり記念碑の前で平和の祈りを捧げました。
この日の払暁、国鉄品川駅など、中心拠点では、始発から実力行使に突入、最後の切り札とあって社会党議員も現場に駈けつけています。前夜からは徹夜で全学連学生がホームに坐りこみ、線路上にもピケ隊とあって、運休 は一五九本、戦後最大の規模となったのです。
かくて午前七時平静のうちにストは終了、私鉄乗入れのターミナル駅など、通勤者の苦情もなく、ストに協力的だったことが目立ちました。この日の午後、国会議事堂をとりまいたデモの波はかってない幅の広さをみせまし た。貿易業者、商店街のおやじさんたち、婦人グループなど政治史上最大のスケールを示したのです。
翌六日、社会党臨時大会では議員総辞職を含む、斗争方針を打ち出しました。こうした中で、政府自民党は、八日参議院で単独審議を開始。今や議会政治は崩壊寸前の事態に陥っています。
Chunichi news No.334