中日ニュース第331号
スポーツ
体育の祭典(東京)
五月の第三日曜は国民体育デー、この日全国およそ百の会場に二百万人が参加して、日本体操祭が開かれました。
老いも若きも五月の空の下で元気一杯にいろとりどりの演技をくりひろげました。
土俵を去った栃錦
去る十日、四十四代横綱栃錦は通算五一三勝、優勝十回、技能賞九回と数々の記録を残して人々に惜しまれながら二十二年間の土俵生活に別れを告げ、今後は春日野部屋の経営と弟子の育成に専心することとなりました。
カメラ・ルポ
ヒマラヤに生きる 羽田特派員撮影
四月九日朝、全日本ヒマラヤ遠征隊が百余人のポーターと共に、ネパールの首都カトマンズを出発しました。
これまでヒマラヤ登山といえば必ず華やかな隊員の活動に目が向けられましたが、このポーターたちの役割は輝かしいヒマラヤ登山史の影武者として忘れることはできません。ポーターは現地ではフーリと呼ばれています、肩にくいこむ三十キロの荷物を背に野を、谷を更には雪の山をもはだしで歩きつづけ、夜は草かげで休息をとります。
ヒマラヤの急峻な山肌をぬっての荷上げは、大変な重労働でうっかりすれば、命さえ失います。しかし、一日五十円でくらせる現地では、二百五十円というフーリの日当はなかなかの魅力、長い山旅の途中の集落でもフーリの仕事は奪いあいでした。ヒマラヤの奥地では女性の集落民までがフーリに加わり、男性顔負けの活躍ぶりです。
たくましくヒマラヤに生きるフーリたち、現地へ派遣された本社特派員のみた生活ぶりをのぞいてみましょう。
高まる安保論争(東京・大阪)
黒いジェット機の撃墜事件は、東西関係に暗影を投じ、パリで開かれた東西首脳会談では、フルシチョフソ連首相が、アメリカへ謝罪を要求、頂上会談も重大な危機に直面することになったのです。
こうした国際政局の動きの中で、大詰めを迎えた安保特別委員会では中央と地方の公聴会も終り、いよいよ最後の段階に入り、五月十七日には自民党があらためて、強行突破の党議を決定するなど、事態はけわしさを加えてきました。一方、改定に反対する請願書も一〇〇〇万人にも達し、ようやく反対の世論も高まっていますが、こうした中で、正副議長は離党の手続きをとり、三党首へ協力を要請しました。
微妙に動揺する国際情勢の中で、安保問題はいよいよ、大詰めです。
Chunichi news No.331