中日ニュース第329号
崩れ去った独裁政治(京城)
政変の鼓動をつづける京城に、四月二十六日、再び大規模なデモが起り、李起鵬邸を破壊、焼払うなど民衆の不満は日毎に激化しています。
こうしたなかで、二十八日未明、李起鵬一家四人が自殺、その葬儀が人目を忍ぶように内輪だけで行われました。
この日、公邸を去る李承晩氏も、最後の愛嬌をふりまきながら波乱多き政治生活から姿をかくしたのです。そして、新しい許政内閣に内外の注目が寄せられています。
南国だより(マニラ・カルカッタ)
羽田特派員撮影
常夏の国フィリピン。その首都マニラは東南アジアでも数少い人口百万のみやこです。道には金ピカの乗合自動車が走り、菓物売りの声も聞かれる南国の町。然し、イントラムロスの城郭には戦火の弾痕が残り、対日感情はまだ良くないようです。
こちらは、インドのカルカッタ。ニューデリーに首府を奪われてからもインドに於ける商業と貿易の都市として活気にあふれています。やけつくような暑さの中で、水浴びとひる寝は何処へ行っても見られる風景です。
イギリスの侵略時代の名残りヴィクトリアル記念館が豪華な大理石の建築美を誇っています。
カメラ・スケッチ
飛び石連休(北海道・東京・静岡・名古屋)
“駿河路(するがじ)は花たちばなに茶のかおり”
茶どころ静岡では八十八夜も、すぎて今が茶つみのまっさかりです。飛石連休となった今年のゴールデンウィークはこの好天気続きで、行楽地は、どこも大賑い。今年の箱根などは雷族や、ドライブ族が独占してうっかりハイキングにもゆけぬ騒ぎでしたが、ところはまさに天下の嶮。車がえんこして、べそをかくにわか作りの運転手が続出しました。
全国で五百万を集め、戦後最大となった今年のメーデーは家族ぐるみでお祭り気分とはいいながらプラカードは安保反対一色。そして審議を急ぐ衆議院安保委員会では連休も返上しての討論を繰りひろげていました。
伊勢湾台風の傷も未だいえぬ名古屋では“被災地に緑を!”の運動が盛んとなり、若い緑の苗木や草花は、災害に疲れた人々にとって何よりの贈物だったことでしょう。
Chunichi news No.329