映像チュウニチニュースダイ328ゴウ V1H2520200616

中日ニュース第328号

撮影年月
1960年(昭和35年)4月
コレクション(提供者)
中日ニュース
撮影
発行
中日ニュース映画社
製作
中部日本新聞社 中部日本ニュース映画社
配給
時間
8分10秒
米国国立公文書館オリジナル番号
館内限定公開 色彩無 音声有 貸出不可
内容

落成したデラックス御所(東京)
  皇太子ご夫婦の新しいお住まい、新東宮御所が完成して四月二十七日盛大に落成式が行なわれました。
  この御所の総工費は二億二千万円のデラックス版で、御所の内部は平安朝の味を現代風に生かした斬新なデザインが目立ちます。
  浩宮さまと親子水入らずのお引越しは五月中頃とのこと。折から天皇陛下は五十九歳のお誕生日を迎えました。研究室では、今日もお好きな生物学の研究に余念のない今日この頃です。
悪政への怒り 韓国暴動
  韓国大統領選挙の三月十五日、李承晩候補の不正なやり方に抗議して、馬山ではついに、民衆の不満が爆発。レジスタンスのノロシをあげました。去る十二年前、李承晩氏は亡命先のアメリカから帰国、「建国の父」と讃えられ、初代大統領に就任しました。
  然し、四選を迎え、当選が危くなると見るや、自からの悪政を省みず、不当な干渉とテロ行為で永久政権への地固めを企んだのです。そして十九日には首都京城に発展。その主力は学生で固められ、十二年間にわたる暗黒政治へ悲憤の反政府デモを展開、五百名に及ぶ死傷者を数えました。かつて、民衆の抗議の前に、南北統一の夢を武力に託し、民の生活を省みなかった、李承晩大統領も、二十七日辞意を表明、政権の座を去ることになったのです。
最後の決戦へ 新安保改定(東京)
  安保改定問題をかかえた今年の通常国会は会期末を迎えて、波乱に波乱を呼びました。会期内成立を目指してややあせり気味の自民党は、一気に押し切ろうと強引な議事運びを続ければ、社会党は多数の懸案であるといきりたち、体をはっての抵抗をつづけたので、安保特別委員会もマヒ状態に落ち入りました。それでも審議を継続するという清瀬衆院議長のアッセンを社会党がのんだため、保守、革新の決議は五月上旬へもちこされることになったのです。こうした騒乱の国会の外では四月二十六日の安保阻止十五次統一行動デーが全国一斉に繰り展げられました。
  この日、国会へは十二万人の人達が安保はいやだという請願書を手に、行列の波を作りました。国会突入を糾合する全学連は六千人を国会正門のチャペルセンター前へ動員し、警官隊とまたまた激しく衝突しました。この日は取締りにあたった警官隊もやや感情的に走り学生たちの中から相当数の負傷者をだしました。こうした乱斗騒ぎをよそに自民党は非常に高姿勢であり五月最後の決戦場では激しい衝突が繰りひろげられることでしょう。

原文

Chunichi news No.328