中日ニュース第327号
“暴れん坊”旅を行く
動く人間山脈ことホンブレ・モンタナ人間台風と呼ばれるレオ・ノメリーニ地獄の使者グレート・東郷など世界の暴れん坊が一堂に集まった第二回プロレス・ワールド・リーグ戦が四月十五日東京を皮切りに花々しく開かれました。
十八日から地方巡業の旅についた一行は、ドテラ姿でハシ、チャワンのサービスに至極ご満えつ、それでもなれない畳の上にはちょっとしたお行儀でした。
三池争議長期化へ(東京・福岡)
妥協か対立か、労働運動の操をかけたといわれる炭労大会。九日間に亘る討議の結果、三炭連には妥結権を認め、闘争から除外することで顔を立て、自からは対決の道を選びました。この報せが伝わるや会社側は、十八日未明、バス三台を連ねて三川鉱へ強硬就労。百五十余名の無血入構に成功しました。その夜、会心のスクイズ・プレーに三池の会社側はいつにない表情でした。然し、就労はしたものの、石炭の搬出をめぐって、ここ貯炭倉はひと波乱が予測されるなど、三池争議は長期化のきざしを見せてきました。
日本の群像
“強き者汝の名は……”(栃木・東京・大阪)
“亭主関白”というよきご時世も今は昔。ちかごろのだんな様は、たまの日曜サンデーも子供のお守りとあっては往年のめんぼくもありません。
なり代ったのが奥様族、その活躍ぶりは目覚しいものがあります。東京の株屋さんのお得意はすっかり婦人客にかわり、へそくり投資も今では立派な財産づくりとなりました。
都会ばかりか農村も大変な変りよう。農家の人たちの月給制度流行のちかごろでは、財布のヒモはがっちりと主婦の手に握られて、ここでもだんな様の実権は、じり貧の形勢です。
こうした中で行われた、婦人経営名のつどいこそまさに天をつくものがあります。集まった八十人の女社長さんは、押しも押されもせぬ一城の主〔あるじ〕ばかりです。日本財界の本拠大阪もこれには、すっかり話題をさらわれました。
こうして経済界ばかりか、政界でも学界でも女性たちの活躍は目立ち、未来を背負う若い女性などその意気はまことに盛ん。
“強きもの汝の名は……”という殿方のためいきが、めっきり多くなりました。
Chunichi news No.327