映像チュウニチニュースダイ321ゴウ V1H2520200609

中日ニュース第321号

撮影年月
1960年(昭和35年)3月
コレクション(提供者)
中日ニュース
撮影
発行
中日ニュース映画社
製作
中部日本新聞社 中部日本ニュース映画社
配給
時間
7分53秒
米国国立公文書館オリジナル番号
館内限定公開 色彩無 音声有 貸出不可
内容

西尾さんの農村行脚(栃木)
  「五年後には政権をとる」と豪語する西尾さんは、自民党や社会党のお家騒動をよそに、党勢拡張へ全国各地を盛力的かけ廻っていますが、三月六日には舞台を農村に移し、「西尾委員長を囲む農村の集い」に出席しました。
  農氏とひざを交えて話合い、農家に迫って、同じものを着て同じ食事をとり、農民の生活をじかに体験しようというわけですが、翌日には早朝から、地区の農業を実地に見学するなど、農村行脚をする西尾さんの表情は、ともかく、自信満々でした。
蝕まれる“天然文化財”(宮崎・埼玉・静岡)
  ダム建設では波紋を投げかけた埼玉県長瀞は、観光地としてばかりでなく、学術的にも稀に見る宝庫として、貴重な存在になっています。この記念物を保護する文化財保護委員会と県との対立に、三月五日、松田文相が現地視察に乗り出しました。
  また、日本三景の一つにうたわれている宮城県松島でも観光業者が勝手にタワーを造り保護委員会と対立。年々俗化されて行く、折からその成行が注目されています。
  こちらは、静岡県舞阪。日本でも珍らしい。“つばめのお宿”があり、今年は四百羽も越冬しました。委員会では、この宿を天然記念物に指定しようとしていますが、主人の河合さんは、つばめに宿を借しているだけですと、有難めいわくといった表情。文化財をめぐる今日この頃の話題でした。
カメラ・ルポ
嫁の座(東京・青森)-農村のあけぼの-
  このほど東京で、農家生活改善全国大会が行われ新しい村づくりと嫁の人権をめぐって熱心な討論が行われました。
  中でも東北の寒冷地帯では貧しさのゆえに、封建的な宗教制度がそのままに残され、女達は牛馬のように働きながら年老いてゆきました。若い娘たちは農業を嫌い町へ嫁ぐことを最大の望みとする有様です。
  しかし同じ東北の若人達の間から新しい村造りへの意欲が芽生えて来ました。青森県七戸の県立有畜農業養成所には、“花嫁学校”といわれる女子クラスが設けられました。今十六名の乙女が酪農を中心とした実習活動にいそしみ、料理や生花裁縫は勿論のこと、乗馬やハンドトラクター運転まで出来るようになりました。卒業した先輩も四〇〇名を数え、それぞれが青森県下の農村で中心的な存在となって活動をつづけております。在校生たちも先輩たちの姿を目標に自らの手で古い因襲と貧しさを克服すべく勉強をつづけておりやがて明るい東北を築きあげてゆくことでしょう。

原文

Chunichi news No.321