中日ニュース第317号
スポーツ
晴れの出発(東京)
冬季オリンピック選手団の結団式は二月四日東京岸体育館で行われました。翌五日旗の波で羽田空港から、選手役員三〇人の一行は万才と歓声に送られて一路スクオ・バレーへ。選手団五十二人は質・量ともわが国冬季オリンピック史上最大といわれています。
キャンプ・イン!(宮崎・別府・大阪・明石)-セ・リーグ-
プロ野球各球団は二月八日からいっせいにキャンプ・イン。王座奪回の心意気も激しくジャイアンツは宮崎で熱のこもったスタートを切りました。若返り二年目のドラゴンズも別府で選手づくりの名人濃人新コーチを先頭に激しいファイトをもやしています。本拠地甲子園に腰をすえたタイガースの注目の人は金田新監督、チーム・ワークとダイナマイト打線の再現をスローガンに猛練習に入りました。三保から明石へ総勢五十五人の大洋ホエールズは、セントラルに一大旋風をまきおこすと豪語した三原新監督がハッパをかけた猛トレーニング。忙しく動き廻る風雲児三原の心中は果して何を秘めているのでしょうか。
日本の群像
裸の乱舞(岩手・愛知)
春まだ浅いみちのく。
蘇民祭りという奇祭で名高い岩手県黒岩寺の礼祭が旧正月の七日、にぎやかに行われました。
この祭りは、蘇民袋を奪い合い五穀豊穣を祈願するもので、凍てつくような真夜中、一糸まとわぬ男たちの争いは、未明までつづくのです。
一方愛知県は国府宮。
夜来の雨も上り、参拝者は四十五万を越えるという開びゃく以来の人出、台風の翌年だけに厄払いをする人々で足の踏場もない有様です。
やがて“シン男”が現れるや、ヤク男たちは待ちかまえた様に殺到、祭はクライマックスに達します。
こうして今に伝わる千二百年の豪壮な裸祭りは幕をとじたのです。
カメラ・ルポ
クスリ騒動(大阪・東京)
「はなくそ まるめて まんきん丹」このたとえ語はともかく、薬は昔から儲かるものとされてきました。
ところが近頃の過剰生産は乱売を招き、大阪では、問屋もおろし値段で小売をはじめ、そのあおりをくって小売屋の倒産が続出する仕末です。大阪に端を発した薬の乱売は、とうとう東京にも波及し、池袋に進出したある薬 屋は、五割引の大安売、案の丈、押すな押すなの大繁昌です。客をとられて慌てた地元の薬局では共同出資で対抗店を開店。
こちらも負けじと六割引きをはじめたところ、相手はさらに七割に値下げ、眼には眼を、歯には歯を、と意地の張りくらべで、ついには両方とも九割値下げを断行する有様です。喜んだのはお客さんたちで、開店三日目にし て、長蛇の列ができています。相手がつぶれるまで、妥協のない闘い、クスリ騒動を治す妙薬は、どこかに売ってはいないものでしょうか。
Chunichi news No.317