中日ニュース第316号
泰西名画展ひらく(名古屋)―大原コレクション―
二月二日から名古屋市松坂屋を会場として、中部日本新聞者主催、大原コレクション、泰西名画展が開かれました。十七世紀の偉大な作家、エル・グレコを始め、ルノアール・セカンチーニ等の西欧印象の優秀作品を中心と
して現代絵画を代表するピカソに至る多彩豊富な名画彫刻が出品されています。
忘れられたガス対策(東京)
一月二十七未明、東京都江東区深川森下町一帯で地下ニメートルのガス本管からガスがもれ、三百戸一千世帯にわたってガスが流れた為、深夜大混乱をひきおこしました。この為二名の死者と三十二名の重軽傷をだす惨事と なりました。相つぐガス中毒事件で東京は恐怖におののいています。
従来ガスもれの発見は、鼻でにおいをかいで、さがすというごく原始的な方法だけ。ガス中毒にはほとんど無防備のまま17%もの有毒ガス一酸化炭素を含んだ燃料ガスが家庭におくりこまれていたのです。
名古屋では一酸化炭素を5~7%に押さえる無毒化装置が既に完成しました。あいつぐ事故にたまりかねた通産省はこの装置をつけるよう全国のガス会社へ勧告しました。多数の犠牲者をだしたあとだけに、何故早く無毒化 へと踏み切れなかったかと悔やまれます。
帰ってきたおしどりスター
アメリカへ出発当時話題をまいた映画スター石原裕次郎さんと北原三枝さんが二月三日羽田へ帰ってきました。スキー服にバック一つという軽装備のお二人、行きとは逆にいたって神妙に記者会見もしましたが、二人の結婚 については、「まだわからない」とあっさりとぼけていました。
日本の群像
テスト屋さん(東京)
二月一日から一斉に始まった入学願書の受付。その名を“終戦っ子”と呼ばれ、狭き門にひひめき合っています。それを狙うのが町のテスト屋さん。
この会社では四百五十校の得意先を持ち、印刷から発送さきまで手順のよいリレーです。いよいよ出発。先生もお客さんとあればあきない振りも堂に入って、月四百万の金を動かすそうです。早速、答案用紙が、くばら
れ、一回のテスト料は、四十五円です。試験が終われば、間髪を入れずテスト屋さんの御入来。集めた用紙は下請の採点屋さんへ、採点はもっぱら主婦のアルバイト。“月軽く五千円になります”と笑いがとまりません。そし
て答案用紙は振り出しに戻って、次ぎ次ぎと点数を集計、学校側の極秘のデーターになるのです。
親の不安と灰色の年令に巣喰うたくましい商魂です。
Chunichi news No.316