中日ニュース第314号
吹雪のなかの熱戦
第三十三回、全日本学生スキー選手権は、北海道の札幌、小樽両市で開かれました。
折からの猛吹雪になやまされた各競技も四〇キロ・リレーでは明大が戦後初の五連勝を樹立、距離競走でも他校を押え圧倒的な強さをみせました。
回転、飛躍はオリンピック出場選手、早大の見谷・松井が貫禄をみせ、結局総合で明大が三十三年大会についで通算十五回目の優勝をかざり、幕を閉じました。
週間話題
成人の日(東京)
今年成人になった若人は全国で一六二万人。この日、東京日比谷公会堂でもハイティーンから卒業した代表が成人の誓をおこないました。
芸能界の売れっ子水谷良重さんも満二十才を迎え、御主人のサービスに甘えて、なかよく練習です。
将棋の天才と言われる加藤一二三八段は成人となったこの日、幼なじみの紀代さんと華燭の典をあげました。媒酌は升田九段夫妻で、名実ともに一人前となった、二重のよろこびの一日でした。
北日本に寒波(札幌)
十七日、北海道、東北を襲った吹雪は、夜になって風速二十米という猛吹雪となり交通機関はマヒ状態におちいりました。このため列車は軒並みに運転休止、車馬も立往生するなど、北日本でも数年来の吹雪だったようです。
調印への裏街道(東京)
“日米新時代”をうたう新安保条約調印のため、岸首相以下の全権団が一月十六日羽田発の日航機で出発しました。
この全権団が飛行機に乗るまでが大変な騒動。出発前夜、全学連の学生たち七百名は空港ロビーへもぐりこみ、机や椅子でバリケードを築いて“千早城”(ちはやじょう)もどきのろう城作にでました。
やがて待機していた二千人の警官隊は実力を行使、七十八名というメーデー事件以来の検束者を出しました。このさわぎ収ったころ岸首相をはじめ全権団は、前後左右を護衛されて空港へ、そのコースも裏街道というソツのなさ。あいさつもそこそこ追われるように飛行機にのりこみアメリカへと旅立つたのです。
新安保条約は一月二十日ワシントンで調印されましたが、日の目をみるまでまだまだ波乱が見られるそうです。
Chunichi news No.314