中日ニュース第312号
新年の表情(北海道・岩手・東京・名古屋)
迎えた昭和三十五年。
新春恒例の国民参賀が正月二日皇居で行われ、天皇御一家は、参賀にこたえられました。
明治神宮では、雨にたたられたせいか、三日間で一八二万人。日本髪など復古調スタイルは笑いことの他少なかったようです。
馬●に揺られる雪の北海道。ロウテイ山麓では恒例のカルタ会が行われ、にぎやかな、初の調べが夜のふけるまで流れていました。
岩手県八種開拓村では、分校の開校式が正月元旦に行われました。本校まで八キロの道で、昨年、吹雪にのまれて、当時六年生の生徒が凍死したのです。今年からは、学校が近くなったと父兄の方がよろこんでいます。
あれから四ヶ月、廃墟と化した伊勢湾台風の災害地にも正月が訪れました。配給のオゾウニは小供の一食にもみたない有様、テレビやラジオの音すら聞こえないバラック住宅です。かっては、タコあげもできなかった繁華街に皮肉な光景をもたらしています。
白銀ラッシュ(東京・新潟)
ザイラーブームにあおられて、今年は空前のスキーブームとなりました。
そのあおりをくったのが年末の始発駅。とっと繰りだした。スキーヤーで身動もできない大混雑となりました。こうしたブームにのって雪のない東京郊外に現れた屋内スキー場も、お正月は押すな押すなの大変な賑いです。
さて本場のスキー場は、これ又、超満員。リフトに乗るまで一時間たっぷりという気の遠くなるような大行列が続きました。
数年来つづいたスキーブームのお陰でスキーヤーの腕前も相当あがったようですが、ザイラースタイルに一級品スキーという華やかなスタイルにはまだまだ腕が伴いません。
皆、すべってころんで雪だるま。スキー場に設けられた臨時診療所やスキーの病院“修理屋さん”がテンテコまいの忙しさとなりました。
「ゆきはいよいよ帰りはこわい」怪我をして、たんかにのせられて帰るスキーヤーも今年はぐっと増加。ブームを通りこしてラッシュにあけた今年のスキー新年風景を東京と新潟に訪ねました。
Chunichi news No.312