映像チュウニチニュースダイ307ゴウ V1H2520200599

中日ニュース第307号

撮影年月
1959年(昭和34年)11月
コレクション(提供者)
中日ニュース
撮影
発行
中日ニュース映画社
製作
中部日本新聞社 中部日本ニュース映画社
配給
時間
8分50秒
米国国立公文書館オリジナル番号
館内限定公開 色彩無 音声有 貸出不可
内容

日本の群像
「好景気の人びと」
  ことしはニッポン誕生以来の好景気とやら。株価はダウ平均九百七十円台という取引所はじまって以来の高価をよぶ盛況です。
  このブームに東京証券取引所労組でも、年末手当七万七千円をかくとくするというデラックぶり。
  景気の波が、ことしは絹物産業にもおよび、七年前、百日間の人権争議から再起不能といわれた近江絹糸も、いまは全工場がフル運転です。
  おかげで、再びめぐり来た我が世の春を謳歌する娘さんたちはひっぱりだこです。そこで、工場への通勤には専用バスでと会社では大変な気の使いよう。
  また、一億円もの費用をかけて地方出のトランジスター娘の待遇にも大童。好景気産業に働く人びとの表情でした。
“犯された民主国会”
  十一月二十七日暁の衆議院本会議でヴェトナム賠償が可決されました。
  “ニワトリ三羽二百億円”と非難をあび疑惑も深まるばかりのこの賠償には社会党は猛烈に反対。岡田議員を中心に鋭い、質問の矢をあびせて来ました。しかし何等疑惑も解決されないまま、自民党は徹夜審議をつづけ、強行
採決をはかってついに押し通したのです。
  同じ二十七日は総評の安保反対統一行動デー。国会周辺に集った三万人のデモ隊が。議事堂目指して抗議デモをはじめ、阻止しようとする五千人の警官隊と激突しました。数時間のもみあいの末、警官隊の人垣を突破したデ
 モ隊は、そのまま国会機内へなだれこみ、夜の議事堂前で激しいジクザグデモを繰りひろげました。
  こうした事態に、自民党はこれをきっかけに、デモ規制の法制化をもちだし、本会議では浅沼さんを懲罰しろと高姿勢に転じました。
  一方警視庁も総評、地評、全学連など関係団体の家宅捜索にのりだしました。
  こうした中で四人の幹部を逮捕された全学連は警視庁前で抗議デモを行い再び警官隊と衝突。安保改訂問題を前に議会政治は内にも外にも大きな試練を迎えようとしています。

原文

Chunichi news No.306