中日ニュース第305号
矢表に立つ防衛体制
安保条約の改訂を前に政府はロッキードの採用に踏切りましたが、通産省が新三菱を主な制作会社に決めたため、衆議院決算委員会では田中元委員長が、通産省と新三菱の間がくさいと赤城防衛庁長官に嫌味を言っていまし
た。
折柄、空対空誘導弾サイドワインダーが登場しロッキードとともに防衛力増強の一翼を担うことになりましたが、こうした動きにたいし反対闘争も日増しに高まっています。
一方、国会では辻正信氏がベトナム賠償をとりあげ、「国民に二百億の金を払わせるなら別荘を売って払いなさい」
と岸首相に嫌味をならべると、防衛力増強の波紋はますます拡がってゆきそうです。
作られる“スキーブーム”(長野・埼玉・東京)
アルペンの王者、トニー・ザイラーが、この程、映画出演のため来日。想像もしなかった歓迎の人波に。当の本人の方が驚いていました。歓迎会でも、ザイラー語でのスポンサーg後をたちません。
あるスポンサーの宣伝部では、ブーム作りへ今日も衆知を集めてちみつな計算。すでにアパートでは、ザイラー・スタイルまでお目見得、抜け目のない便乗を見せれば、チャンピオン誘致を当てこんでアルプスの山腹へ娯楽
センター。
雑木林もゲレンデに代るなど、銀嶺のスターを迎えて冬山へのブームは着々とつくられているのです。
日本の群像
つどう親ごころ
七・五・三日和にめぐまれた十一月十五日。室町の昔から続くこのお祝いに、今も変わることのないのは、子供を着飾らせたい親心。小学校から大学へと、エスカレード・システムの有名校は、はやくも入学試験。父兄の方
が心配そうです。
こちらは絵の研究所、未来のピカソを夢みて、ああでもない、こうでもないと気をもむのは、ここでもお母さん。
ここは大人の研究所ではありません。ごらんの通り生徒は童謡練習の子供達。明日のスターへとひと苦労です。晴れの発表会では、後の方から気のもみようもひとしおです。
今日も手しおにかけた結婚式。なにくれとなく世話しないではいられない親心です。
ゆりかごから、この日までよきにつけ、たのしい親馬鹿苦労は、いつの世も変わりません。
Chunichi news No.305