中日ニュース第304号
カメラ・スケッチ
話題の熱戦(福岡・広島・大阪・東京)
番付けも新たに大相撲九州場所は十月八日、十五日間の幕をあけ三小結が初日から黒星という熱戦。
同じ日、広島では第一回東西対抗オールスターゲームの第二戦。水原、別当、金田などプロ球界は早くもストーブリーグの話題でにぎわってます。
またアマチュアでも、六大学の木次、浜名などスタープレーヤーの去就が注目されています。一方大阪では、日本のポープ八尾板貞雄が世界フライ級チャンピオン、パスカル・ペレスに挑戦。タイトルマッチが行われまし
た。
十三回、遂に八尾板はノックアウト。この日に備えた一年間の摂生とたゆまないトレーニングも空しく老巧ペレスの軍門に下ったのです。
しかし、敗れたとはいえ、二十三才の若さ、いつの日か、カンバックの道を開いてもらいたいものです。
謎の戦力・疑問の賠償
帰国以来、松島にたてこもっていた源田空将は、十一月六日赤城防衛庁長官にたいし次期主力戦闘機に、ロッキードF一〇四Cの改装型を採用したいと報告しました。その夜開かれた国防会議でも予想されていたとうりグラ
マンを捨てロッキードの採用を決めましたが、水害によって、戦闘機無用論もきかれる折柄、向う六年間に七百億円の支出は、再び激しい論争を招くことになりそうです。この日衆議院の予算委員会では社会党の岡田春夫氏が
南ベトナムへの賠償二百億円をとりあげ、これは、アメリカの軍事同盟とつながり、南ベトナムの軍事援助だと激しく政府を追及しました。
こうして、ロッキードへの七百億円と南ベトナムへの二百億円をめぐって、臨時国会は活潑な論争を展開しています。
日本の群像
南部の人びと―岩手―
南部馬の名産地で知られる岩手県遠野市へ、六百頭の二才駒が勢揃いして、東北随一という馬市の幕を開きました。
日本でも最も優秀といわれるこの南部駒を飼う人達の生活ぶりを、遠野市から二十五キロ山へ入った附馬牛という地区に訪ねました。
冷害、不作の常襲地であった岩手の農民達は、南部藩四百年の昔から馬の飼育をはじめ、非常時には全く馬のおかげで喰いつなぐことができたのです。それだけに南部の人々の馬への愛情は異常なほどでも今もなお文字通り
馬と共に寝起きする生活を続けているのです。
しかし最近農業の機械化が進むにつれて馬は安くなるばかり。人々の長い労苦にも拘わらず五万円足らずの安値で買いとられてゆきます。
馬をめぐる南部の人々の哀歎の物語は人の心を打つものがあります。
Chunichi news No.304