映像チュウニチニュースダイ300ゴウ V1H2520200595

中日ニュース第300号

撮影年月
1959年(昭和34年)10月
コレクション(提供者)
中日ニュース
撮影
発行
中日ニュース映画社
製作
中部日本新聞社 中部日本ニュース映画社
配給
時間
8分29秒
米国国立公文書館オリジナル番号
館内限定公開 色彩無 音声有 貸出不可
内容

被災地に生きる―伊勢湾台風第三報―
  あれからもう半月、やっと軌道にのった堤防の傷口へ仮締め切り工事も急ピッチです。水の引いたあとで、被災者たちは休む暇もないあとかたづけ。山のようにつまれた救援物資も、特別輸送隊が編成され、ぞくぞくと東京 から運びこまれています。
  しかし、まだ水が引かない町や学校から集団避難して来た子供たちは、板の間の学校で共同生活。教え子の安否を気づかう先生が、子供たちを訪ねて今日も被災地をまわっています。あの夜、親や兄姉と四人をいっぺんに 
 失って一人ぼっちになった中学一年生の高波君は、最後の望みを托しながら、廃墟の様に水に浮ぶ我が家の近くを毎日探しまわっています。おそらく一生消える事のない傷手を背負った台風孤児は、愛知、岐阜、三重三県だけ
 でも百人を下るまいということです。
特急電車脱線転覆(愛知)
  十月十一日午後八時五分、愛知稲沢市で名鉄特急下り列車に、救援物資を積んだオート三輪が衝突、一輌目の乗客は、一メートル下の田圃に転落し、死者九名、重軽傷一〇〇名に及ぶ惨事となりました。被災地の見舞客が多 く水害の恐怖さめやらぬ矢先き、度重なる痛ましい事故でした。
カメラ・スケッチ
ローカル線(東京・岩手・宮城・群馬・千葉)
  信州浅間の高原を走る“お猿電車”。イギリスに生れ、日本に嫁いできたのが大正十三年。いまは、バス路線の攻勢の前にこの秋、姿を消すことになりました。
  こちらは日本一、幅の狭い電車。そのお陰で、ヒザとヒザが触れあって、数々のロマンスが生まれてきました。
  また、千葉県九十九里電鉄は、自動車エンジンの乗物、サッソウたる伊達姿で田園をいろどっています。
  こちら宮城県の加美中新田駅では、駅長さんが窓ふき、荷物の運搬、改札と大張きり。また同じ宮城県下でもここは鉄道路線を借用して、バスが往来、土地ッ子の人気を集めています。
  鉄道が敷かれて八十七年、煙に代ってホコリを残す風情は今日この頃、十月十四日の鉄道記念日におくるローカル線の話題でした。

原文

Chunichi news No.300