中日ニュース第296号
“ソ連の月ロケット成功”
モスクワの臨時ニュースは、九月十四日人類史上初の月ロケット成功を伝えました。地球から月へ三十八万四千キロを一気に飛び、十四日、午前〇時二分、二十四秒、ロケットは月の表面に到着、ここに、二十世紀の人類の
宇宙への夢が実現したのです。
オ・ケ大全明大にも楽勝
オックスフォード・ケンブリッジ両大学連合ラグビーチームの来日第二戦、全明治大学との試合が、九月十三日東京秩父宮ラグビー場で行われました。
宮井榎本等の好選手を揃えた全明治は期待にたがわず猛烈な闘志をみせて喰いさがり、前半八対三と連合軍に迫りました。
しかし後半連合軍のいきもつかせぬ猛ダッシュに明治の動きもにぶくなり、連合軍のトライがつづいて二十七対三で全明治大学にも楽勝しました。
カメラ風土記
亡びゆく塩田(宮城・香川・愛媛)
古い伝統と長い歴史をもつ全国塩田の三分の二が今年限りで、その姿を消すことになった。それは、生産過程が、原始的な入浜式から、流下式、更に新時代のメカニズムと改良されて、生産過剰をきたしたからです。その
為、浜子たちは、身の振り方に真剣です。こうして、父祖三代にわたる塩田は、その姿を没しようとしています。
日本の群像
大荒れの社会党(東京)
今年の社会党大会は九月十二日から東京の九段会館で幕をあけました。
“伸び悩んで”いた社会党は今春の参院選挙に惨敗、勤評闘争も気勢があがらずこの秋の安保条約改訂問題をかかえて頭痛はちまき。こうした中での最右翼西尾末広氏の反党的行動には批判が集中しました。
左派、総評系などが大会へきとうから除名を要求すれば、全労系、西尾派は絶対反対、つかみあいまで、くわわる大混乱となりました。
こうして大会の二日目、怒号と拍手の入りまじる中で「西尾氏が反党的である」として統制委員会に付する事になりました。
怒った西尾氏は三日目から役員代議員を引き継げ「新党結成」騒ぎまで起こしたため大会はまひ状態。かえって西尾氏は孤立状態になりましたが、社会党はこうした混乱した党内事情をかかえたまま、安保改訂阻止闘争に立 ち向かうことになりました。
Chunichi news No.296