中日ニュース第287号
雪渓から十三人転落
七月九日朝、鷹の山谷川岳で新潟県燕市の山岳会員十三名が雪渓をふみぬいて転落。女二人を含む五人の死亡者をだすという惨事を引きおこしました。
その遺体は三日間にわたる困難な作業の末収容され、二百七十人の谷川岳犠牲者をまつる慰霊塔前では遺族との涙の対面が行われました。七月の雪渓は非常に崩れやすいと警告がだされていた矢先だけに、登山者達の細心の 注意が望まれます。
躍進めざまし女子競泳陣 日本選手権水上
今年の全日本水上選手権大会は七月十日から東京の神宮プールで行われました。
この大会で、女子二百米背泳に、弱冠十七才の女子高校生田中聰子さんが二分三十七秒一の世界新記録をだしました。これはベルリンオリンピックに活躍した前畑選手以来二十六年ぶりの快挙。このほかにも女子種目ではつ ぎつぎに日本記録を更新、大いに気をはきました。一方期待の山中選手も千五百米自由形に再び日本新記録。いよいよ水上日本の意気は髙いようです。
週間話題
海の夏祭り(江の島)
神奈川江の島にある八坂神社の大祭が七月十三日賑やかな祭囃子でフタをあけました。翌十四日には、この祭の呼びもの神輿の海渡りが披露され、江戸時代より三百年の由緒ある伝統に、浜は終日わきかえっていきました。
新大臣故郷へ帰る(東京・群馬・新潟)
岸さんの四度目の外遊で、大臣の夏休みがはじまりました。そこで中曽根新大臣が、早速郷里群馬県高崎市へお国入り。大歓迎にすっかりがい旋気分です。
一方、渡辺新厚生大臣も、歓迎プラカードに迎えられて新潟県新発田市へお里帰り。パレードをくりひろげるやら、大変なもようでした。
カメラ・ルポ
お米の謎(東京・青森・函館)
今年もまた農家の人のベースアップのシーズンをむかえ、米価審議の騒動は年中行事となったようです。消費者米価といえば、なにかとうるさい主婦連の面々。今日もお米屋さんを招集して配給米の抜打検査。しかし青森 と函館を結ぶ青函連絡船には人よんで、“カラス部隊”と言われる集団が往来。一日五百俵の米が北海道へ渡るのです。
ところで法律にもとづく配給米は月のうちの半分、後は喰わずにおれというのだろうかこんなところにお米の矛盾があるようです。
しかし自由販売制をとれば、農家の人から苦情がでるなど、お米をめぐる謎は当分打開出来そうにもありません。
Chunichi news No.287