中日ニュース第280号
スポーツ
“東京オリンピック”決る
西独ミュンヘンで開かれた第五十五回国際オリンピック総会で、三十年来の宿願、一九六四年の東京オリンピック開催が五月二十六日決定。
東京の都民ホールはバンザイと喜びにつつまれ、お茶の水の体育協会前はアーチや五輪旗がかかげられ。はやくも前景気にあふれていました。また、岸総理も早速喜びの記者会見を行いました。
プロレス、ワールド・リーグ
世界十ヶ国のレスラーが肉弾相うつプロレス・ワールド・リーグが五月二十一日東京で開かれ、世界の強豪が血まみれの勇しい熱戦をくりひろげました。
防衛の歩みのかげに(東京・神戸・和歌山)
ミサイル部隊の増設など防衛整備を急ぐ防衛庁へ、このほど、米、英海軍の司令官が訪問。折から五月二十五日戦後初の国産潜水艦が完成。その進水式が神戸で行われました。
総工費二十七億。その名を“おやしを”号と命名されました。
日本防衛の大きな立役者、ダレス前国務長官は、肝ぞうガンのため、七十一才の生涯をとじました。
また防衛のかげに、外務省できょうも賠償交渉。デンマークえ四億円が支払れることになったのです。こうしたなかで戦後引揚げ促進を計ってきた「留守家族団体全国協議会」が十二年間の業務を終えて解散。しかしまだ未帰
還者は三万人もいるのです。
靖国の社にはきょうも、遠来の遺児が、なき父と無言の対面。華やかな防衛と賠償のかげに戦争のいたではいやすべくもないようです。
日本の群像
駿馬とともに―第26回日本ダービー―
第二十六回ダービーは五月二十四日東京・府中競馬場で泥だらけの熱戦を展開、馬券の売り上げも、二億八千万円に達しました。
毎年このダービー真近になると府中の厩舎ではサラブレッド四才の駿馬が勢揃いして最后の総仕上げで緊張した雰囲気です。
馬と同じ屋根の下に暮して二年間にわたる面倒をみて来た厩務員さんの愛馬をみがく手にも自然力が加わります。
レース三日前、夜明けとともに本馬場調教が行われ各馬のタイムが計られましたが、人気馬ウィルディール、メイタイ共に絶好調。こうして期待のうちにレースの火ぶたが切っておとされました。
激しい雨中での激烈なレースの末、ウィルディールとメイタイを破って、コマツヒカリが予想外の優勝。四百円の賞金を獲得しました。
コマツヒカリのまわりに集った喜びの人達。そして敗れた騎手、厩務員さんの落胆した表情。悲喜こもごもの想いをおりなして、今年のレースも幕をとじました。
Chunichi news No.280