新日本ニュース第46号
1.攻勢つづく労働戦線 田中文相へ退陣を要求
政府の対策にも拘わらず労働争議は依然として熾烈化し、東京都教員組合では罷業体制確立大会を四谷第六国民学校で開催し文相の退陣を決議し最後の対策を協議した。
2.裁判所と“生管”争い
東京板橋のオリエンタル工場では生産管理に入っていましたが資本家側の申請で十三日から裁判所が工場施設を差し押さえてしまった為組合側では新手の争議弾圧だと裁判所へ抗議しました。
3.ビラ戦術“夜中から朝まで”
十一月十九日の深夜、東京丸の内の三菱銀行の壁へべたべたビラ張りをしているのは池貝自動車組合員で、三菱財閥が大株主として争議を妨害しているというので斯様な新戦術を行っているので、夜が明けると銀行では信用に関すると総動員でビラを剥がしています。
4.戦線統一へ電産公聴会
電産争議の真相発表が十八日、各労働団体を集めて交通博物館で開かれ、この争議を機会に労働戦線の即時統一が主張されました。
5.時の話題
チョンマゲにお別れ(東京) 引退して時津風と名を変える双葉山は、十九日断髪式を行いました。
6.こんな処に塩の山(大阪) 大阪吹田では現職の警官が塩の横流しを行った事件が摘発され、この塩一千俵は市民に配給され悦ばれました。
7.引揚者 北海道へ(東京) 引揚民八十名が今度東京から網走へ開拓農民として移住する事になり十一月十五日夜上野駅から出発しました。
8.中止か継続か関門トンネル
下関と門司を結ぶ関門トンネルは昭和十二年から工事を開始しました。ところが敗戦後、資材難、資金難で中止を伝えられています。中止となれば生活ができないと一千の労働者は中止反対を叫び地元の人々に呼びかけています。
9.あばかれた“開戦前夜” 東京裁判
太平洋戦争開戦前夜の秘密が今や法廷で次々にあばかれています。
支那事変で行き詰まった戦争首謀者は更に大規模な侵略計量を経て、近衛退陣の後に東條内閣は戦争準備を整え十一月五日午前会議で対米英戦争を正式に決定しハワイ目指して不意討攻撃に艦隊を出動させ、当時勝利を呼号した戦争の責任者たちは法廷に立って文明の裁きに何を感じているでしょうか。
New Nippon news No.46