新日本ニュース第36号
1.タイトル
2.芸術祭の幕ひらく
文部省後援の芸術祭が九月五日からはじまり、帝劇では昭和十四年以来上演を禁止されていた、新協劇団の「どん底」これに對し、東京劇場では菊五郎、三津五郎、幸四郎の「鳴神」を上演、議会からはせつけた大臣方の顔も見えます。
3.スポーツ
4.学生水上大会
全日本学生水上大会が九月八日、日大プールで開かれ、四百米自由型に日大古橋選手は四分四十八秒六の世界記録を樹立。
5.日比親善拳闘大会
九月十日日比親善の拳闘大会が後楽園スタジアムで開催、当日呼び物のベビー・コステロ対世崎の十回戦。
6.時の話題
7.はたらく貴族(京都)
故久邇宮多嘉王第三王子から臣籍に降下された龍田徳彦伯は毎日自転車で松下電機工場へ一職員として働いて居られます、海軍で電波兵器を扱った得意の腕を真空管技術者として生かして居られます。
8.国境の街稚内(北海道)
北海道の北の端、樺太と相對する稚内は終戦と共に樺太がソ連領となったので新しく国境の町となりました。
9.埼玉に三つ児誕生
埼玉県松伏領村 石川圭三郎さんのお宅で八月十一日、産児制限を尻目に三ッ子の男の子が誕生、三人とも元気でお父さんは一寸テレています。
10.海員 国鉄 ゼネスト断行へ
五人のうち四人の馘首、待遇改善の要求から起った日本海員組合の争議は遂に交渉成立せず、十日午前零時ゼネストを指令、東京横浜両にある大小七十余隻は一部を除いて船を止めました、一方国鉄でも十二人万人の整理に反対して各種新戦術を展開、九月五日から三日間国鉄総連合大会はゼネスト決行の方針にからんで組合の分裂となり西日本側(名古屋、大阪門司)は別個に運輸省と交渉、東日本側は九月十五日午前零時を期して二十四時間ゼネストを決行。今後の経過が注目されています。
New Nippon news No.36