新日本ニュース第33号
1.タイトル映像
2.新憲法案 委員会通過―衆議院―
衆議院憲法委員会は8月21日、憲法改正共同修正案を可決、50日にわたる審議を終えた。途中、左右両派から極端な修正も出されたが、結局、主権在民を明確化する方向で修正案が決定された。
3.眞か偽か 溥儀氏の親書―東京裁判―
8月16日、出廷以来罪を逃れることに懸命だった溥儀氏は8月21日の法廷で、「1931年9月1日」付で宣統帝から南陸軍大臣あてに送った自筆の親書をブレークニー弁護人にみせられ、「これは偽造です」と証拠をつきかえし、被告席だけでなく、キーナン検事をもあきれさせた。
4.御法度の歌劇“ミカド”上演
コミカルな歌劇「ミカド」は1885年ロンドンで初演されて以来、ヨーロッパではエキゾチックな雰囲気が愛好される歌劇だが、その題名のために日本では昭和22年6月、長門美保歌劇団によりようやく上演される。これより1年前、米軍接収のアーニーパイル劇場(東京宝塚劇場)での初演風景である。
5.戦線統一の気運―産別結成大会
「総同盟」の結成(8月3日)に続き、同じ東京神田共立講堂で8月19日から3日間「産別会議」の結成大会が開かれ、総同盟85万、産別会議160万と日本の労働界を二分する組織が整った。
6.時の話題
7.お祭二題
日本橋復興祭が8月20日から3日間行われ、いなせな若衆みこしが、お江戸日本橋をねり、見物の米軍人の笑顔も江戸っ子にとけ込んでいた。宇都宮復興祭は8月14日から1週間行われ、食糧衣料の集産地として早期の復興を祝った。
8.吉田首相 自由党總裁に
自由党大会が8月18日丸の内の鉄道協会で開かれ、吉田首相が総裁に選ばれた。国会の議席を持たぬまま首相に就任した吉田茂氏の手腕が保守政党人から初めて承認された日である。
9.当った十万円
インフレの中の庶民のささやかな夢、”宝くじ”の一等賞金が第5回から10万円になって、8月27日、その当選者が勧業銀行に現れた。
10.引揚民を怒らせた住宅問題
都内8か所の短期宿泊所収容中の海外引き揚げ者400人は8月21日、麹町、深川区臨海、川南の3国民学校を占拠。「住む家をよこせ!」と座り込みを始めた。東京都は緊急措置令でこの問題の解決をはかったが……。
New Nippon news No.33