中日ニュース第276号
新知事の横顔(北海道・東京・大阪・福岡)
全国各地で激げしく斗われて来た二大政党下初の地方選挙は、四月二十三日国民の審判が下りました。
注目の四大知事選挙のうち福岡県では、社会党の鵜崎多一氏が土屋前知事を破って当選。また、大阪では、自民党の佐藤前防衛庁長官が、息づまる接戦ののち新知事となりました。
一方、北海道でも、町村金五氏が、横路氏を破って、十二年間の社会党王国をくつがえしました。さらに東京でも、東氏が、有田氏を十数万票はなして当選。
スポーツ知事東さんは、「都政に新風を吹き込むよ」とはりきっています。
大詰の志免炭鉱(福岡)
民間への払下げをめぐって昨年八月以来紛糾をつゞけ、ようやく大詰を迎えた国鉄志免炭鉱――。四月二十六日、赤坂所長は「民間には払下げない」と声明を発表。衆議院運輸委員会でこの声明をとりあげた社会党の質問に国鉄の十河総裁は、事態を収拾するためには止む得ない方法だった――と答えました。
昭和二十四年から三十年まで七億円の赤字を出し、払下げ問題をひきおこしたこの炭鉱も三十一年従業員の配置転換をしてからは毎年黒字。そして払下げの理由も「埋ぞう量が少なく経営の将来性がない」ということに代ってきました。
然し、将来性のない山になぜ民間の買手がつくのだろうか。近く入札を前にしたこの問題の成行きが注目されています。
日本の群像 光のなかの子供たち(桐島)
福島県平市郊外のひかりヶ丘にある整肢療護園で、六〇人の子どもたちが聖書をよりどころに不自由なからだと斗いながら明るく生きています。
小児マヒというきびしい宿命を背おった子どもたちですが、暗いかげは少しもなく、天気のいい日には、野球もします。足の悪い子はバッター、手の悪い子はランナーです。
待ちに待った遠足の日。貝のように閉じこもっている子供たちも、海岸の砂遊びに、楽しい一日を過しました。
ある日両親に連れられて新しい子が入ってきました。子どもたちは拍手で温かく迎えてやります。愛するわが子を置いて帰ってゆくお母さんは泣いていましたが、その子は必ず立派にやってゆくことでしょう。
宿命と斗いながら光を求めて力強く生きてゆくのです。
Chunichi news No.276