中日ニュース第275号
ウイルディール快勝 さつき賞レース(千葉)
明け四才の駿馬が競うさつき賞レースが、四月十九日、三万五千の大観衆で埋る中山競馬場で行なわれました。
一番人気は四戦全勝のメイタイ、対抗人気は中京の誇るウィルディールが特に注目されました。レースは予想にたがわずウィルディールのさし足すばらしく、ウネビヒカルを抜き、二着メイタイを四馬身離して優勝。一躍ダービーの本命としてクローズアップされてきました。
伊勢路の皇太子ご夫妻(三重・奈良)
四月十六日、新生活に入られた皇太子ご夫妻は、都民の慶祝大会にのぞまれ、祝福を受けられました。
十七日は、正田家、岸総理らに見送られ、伊勢神宮に初の御旅行にお出掛けになりました。十八日、外宮に参拝し、つづいてお二人は参拝服に召され、皇祖の静まる内宮に進まれて、御結婚の奉告をなされ、十九日、奈良ホテルを御出発して畝傍山陵に行かれ、神武天皇に御結婚をご奉告なされました。
こうして、三日間の儀式を終えられて新緑の伊勢大和路を後にしました。
日本の群像 防衛学士さま(静岡・神奈川)
戦力か自衛権か――既成事実をめぐる歴史的な伊達判決をよそに、四月十四日から四日間、陸上自衛隊の戦斗訓練が行われ、富士山麓は戦前戦後を分つことなく今日も消煙と砲につゝまれている。
こうしたなかで、今年もまた五百三十名の若人が防衛大学の校門をくぐった。午前六時、暁きの小原台に高らかにひびきわたる起床ラッパでその日の日課を迎える。八時半から正午まで学科、ここで防衛理論をはじめ専門科目が四年間みっちり叩きこまれる。
そして午后は陸海空、三つの分野に分れて実技訓練がほどこされる。雨の日も風の日も――そして想い出されるのはいつか聞いた幕僚の訓示である。それは、勇気を出し忍耐にたえることであった。
やがて夕食後の自由時間「わだつみ」の声も聞かばこそ、旧帝国海軍のリボンが「人間の条件」を仲よく同居している有様だ。
こうして、政治と憲法の妥協のない対立のなかで彼等は彼等なりの道を歩んでいる。
Chunichi news No.275