中日ニュース第270号
あの島 この島 桜島(鹿児島)
火の島で知られる桜島は五百年来の噴火がつづいています。
くろぐろとひろがる異様な熔岩の台地におおわれた東桜島の黒神地区はいくたびか、にえたぎる熔岩の下に埋められました。
しかし住民達は島を離れず、男達は軽石の採取作業で一家をさゝえ、女達は火山灰を掘りおこしての畠作りや、昔ながらの椿油づくりで家計を助けます。
島の一番の悩みは水のないことです。共同水道からの水運びもなかなか骨が折れます。
南の涯の美しい島の中で住民達はきびしい自然と斗いながらの苦しい毎日を送っています。
さよなら西沢選手(名古屋)
二十三年のプロ野球生活の第一線から去る中日ドラゴンズの西沢選手の引退試合、中日~南海戦が三月十五日中日球場でひらかれました。
五対四で勝利をあげた中日の好ゲームとファンに送られて背番号15番西沢選手は第二の人生へグランドを去ってゆきました。
敗れた“基地反対” 小川町町長選(茨城)
航空自衛隊の基地建設に端を発した茨城県小川町長の選挙は、町を真二ッにして激しく争われました。
自民党の橋本副幹事長の応援を求めた賛成派は宮内候補をたてゝ必勝の態勢。
一方社会党も鈴木委員長を送り込んで反対派を支援、リコールのせつじょくを期して山西候補も激しい斗志をもやしています。
投票前接近したマイク合戦から両派が対立、深夜の町は険悪な空気につゝまれました。
こうして開票の結果、基地賛成派から押された宮内久介氏が当選、複雑な町政をあづかることになりましたが、滑走路にはなお反対派の農民が立並び、宮内町政の前途は多難なものがあるようです。
日本の群像 てれび・たれんと(東京)
東京だけでも六つのチャンネルから流れ出る番組は四百あまり。
テレビ用の劇映画や、ドラマは大量生産の時代となりましたが、そこでうけにいっているのが時代劇の立廻り専門の俳優さんです。
この別名“斬られ屋さん”たちは殺陣の先生の道場に所属していて、毎日勇しいからみの稽古に精を出しています。
本番では、人気スターに斬られて一回千円なりですが、好きでやっているという斬られ屋さんたちはテレビ・ブームの波にのって連日セットからセットへ歩きまわっています。
Chunichi news No.270