映像チュウニチニュースダイ269ゴウ V1H2320200137

中日ニュース第269号

撮影年月
1959年(昭和34年)3月頃
コレクション(提供者)
中日ニュース
撮影
発行
中部日本ニュース映画社
製作
中部日本ニュース映画社
配給
時間
8分19秒
米国国立公文書館オリジナル番号
館内限定公開 色彩無 音声有 貸出不可
内容

“雪の王者”を招いて 第30回宮様スキー大会(札幌)
 スキー王国のスエーデンとフィンランドからハクリネン、イエルンベリなど北欧六選手を招いて三月六日から札幌で第30回宮様スキー国際競技大会が開かれました。
 一五キロレースではさすがに本場の強みを発揮してハクリネンが優勝。純ジャンプに出場したただ一人の招待選手フィンランドのバルカマ選手は意外にふるわず五位、日本の佐藤選手が昨年についで優勝しました。
・鳩山さん亡くなる(東京)
 政界の元老鳩山一郎元首相が小雨そば降る三月七日、狭心症で亡くなり七十六才の生涯を閉じました。
 この悲報に東京音羽の私邸は石橋元首相、フェドレンコ・ソビエト駐日大使ら内外の弔問客でごった返しました。
 その夜、鳩山邸にはお通夜の焼香がつづき賛美歌が音羽の山を悲しくつゝみました。
 昭和二十一年 組閣直前に追放の憂目に会った鳩山さんは、その后も脳溢血で倒れるなど悲劇の政治家として世の同情を浴びました。そして政権えの執念は遂に故三木武吉河野一郎氏らを参謀として反吉田勢力を結集、保守新党の結成を見るにいたりました。
 こうして鳩山さんは待望の内閣を組閣。長い間軍閥と官僚による政治に不満を抱いていた民衆は、親しみやすい鳩山さんの人柄を讃え、各地に鳩山ブームを捲きおこしました。
 そして昭和三十一年には病苦をおしてモスクワにのりこみ、日ソ国交回復の任務を果すなど万代ふえきの功績を残しました。
 かくて十一日、自民党葬が東京千駄谷の体育館で行われ、波乱多き流転の生涯を偲びました。
 こうして鳩山さんは「人を信ずることが最高の政治であるような世界を造りたい」という手記を残して五十余念の政治生活を閉ぢたのです。
カメラ・スケッチ 準備O’K(東京・愛知・岐阜・京都・大阪)
 皇太子さまと美智子さんとの御成婚式にあと一月。春ひざしさす皇居では十日に使われる馬車の訓練がつづけられています。
 民間女性として美智子さんがはじめてうけるのではないかと噂される宝冠一等章が、大阪造弊局でこのほど完成しました。七宝に真珠をあしらったみごとなものです。
 瀬戸焼きでしられる愛知県瀬戸市のある焼物屋さんには皇居での御成婚祝賀会に使われる三千個の盃の注文がもちこまれてテンテコ舞い。
 ちょうちんの本場岐阜市や日の丸の旗生産の東京でも全国から殺到する注文に時ならぬブーム。四月十日にまに合わせようと大いそがしです。
 売らんかなの商魂たくましいデパートでは、皇太子さまと美智子さんのマネキンが一足お先にゴールイン。
 御成婚ブームに賑う街の表情を全国に拾ってみました。

原文

Chunichi news No.269