中日ニュース第268号
春だより(札幌・静岡・東京・千葉・モスクワ)
春も間近いめんようの、のどかな行列がつづく北海道。南伊豆の下田港は、春サバの大漁で春の活気を見せ、山の小学校も、もう桜が満開です。
三月二日、お誕生日を迎えられた清宮さまは、ハイティーンから成人へとお料理の勉強も忙しい毎日です。
北から南から戦争と失業に反対する国民大行進を迎え、春斗第二波は激しさを加えています。
春浅いモスクワへ、マクミラン・イギリス首相が、フルシチョフ氏らソ連首脳陣に迎えられて到着。微妙なかけ引きはともかく西欧・共産両陣営の巨頭がまみえた英ソ首相会談で緊張した国際政局も、どうやら雪どけの明るさをみせています。
全カナダ軍快勝 対全明大ラグビー
二十七年ぶりに来日したカナダラグビーチームは、全明治大、全早稲田大を連破してその底力をみせました。全明治との第一戦は雪の降る秩父宮ラグビー場で開かれましたが、ぬかるみと雪どけの中で両軍選手が全身泥まみれになって、体をぶつけあう激しい戦いとなりました。この悪コンディションの中でも、オールカナダは鮮やかな速攻を繰りひろげて得点を重ね、全明治を十七対三と圧倒して第一戦を飾りました。
カメラ・ルポ 日本の朝鮮人 帰国問題その後(大阪・神奈川・東京)
三月三日、北鮮えの帰国を希望する朝鮮人が全国一斉に大会を開き、八万人もの人達が集って一刻も早く祖国へ帰してくれと訴えました。
ところで同じ日、北鮮への帰国を許すなという同じ朝鮮人の自転車隊が大阪と青森から上京して外務省に座りこみ、更には大臣にあわせろともみあいました。
各地の朝鮮人地区では賛成反対両派が宣伝カーを繰り出して宣伝合戦をつづけ、日本にときならぬ三十八度線のにらみあいを再現しています。
六十万人といわれる在日朝鮮人は、四人に一人が生活扶助をうけている程貧しい。
「朝鮮人」ということでまっとうな仕事も与えられず、都会のスラム街でゴミのような毎日を送ってきました。
水道も電気もないドン底暮しがいつはてるともなく続けられ、一部の朝鮮人地区は麻薬やドブロク密造などが後をたたぬ悪の温床にさえなったのです。このしいたげられた人々のうち十一万人が北鮮へ帰ることを希望しています。そして「帰ってくる人達には家も職も充分準備していること」毎晩呼びかける北鮮放送にしがみつくように耳を傾けているのです。
こんな苦しい生活はもう沢山。たのむから帰らせてくれと訴える人。北鮮のデマだから絶対帰えらせないと反対する人。東西対立の谷間で相争うこの悲劇の解決が訪れるのはいつの日のことでしょうか。
Chunichi news No.268