映像チュウニチニュースダイ266ゴウ V1H2320200134

中日ニュース第266号

撮影年月
1959年(昭和34年)2月頃
コレクション(提供者)
中日ニュース
撮影
発行
中部日本ニュース映画社
製作
中部日本ニュース映画社
配給
時間
8分38秒
米国国立公文書館オリジナル番号
館内限定公開 色彩無 音声有 貸出不可
内容

春をよぶ雪ざらし(新潟)
 深い雪にうずもれている新潟県魚沼地方に春を呼ぶ越後ちぢみの“雪ざらし”が始まりました。越後ちぢみは、一月近くかかって手機で織られますが、更に独特の光沢をもたせるため雪の上に丹念にさらされるのです。上越の山々を背景に繰りひろげられる美しい雪ざらし風景は、春を前にして雪国の話題を集めています。
よみがえる“紀元節”(奈良・東京)
 二月十一日橿原神宮では奉祝祭と名づけた紀元節復活デモンストレーションが行われ、二万人の人出で埋まりました。午后からは建国おどりをはじめ、仮装行列が町をねり歩きました。同じ日、東京では復活に反対する三笠宮邸に右翼の一団が押しかけ気勢をあげるなど大変な紀元節騒動でした。
週間トピックス ジャンプに競う 全日本スキー選手権(青森)
 二月十三日から大鰐スキー場で開かれた今年の全日本スキー選手権大会は、第三日に純ジャンプ競技を迎えて大会気分も最高潮になりました。快晴零下七度という好条件に恵まれたこの日、吉沢、菊池、佐藤、江遠ら国際クラスの選手が勢揃いして豪快なホームを競いあいました。息づまる接戦の末、一、二回とも八十三米をとんだ佐藤選手が不敗を誇る吉沢選手を破って初優勝をとげました。
・おめでとうチエミちゃん(東京)
 ジャズ歌手の江利チエミちゃんは二月十六日高倉健さんと晴れの結婚式をあげました。羽田空港にも、人気者の晴れ姿を一目みようとファンが押しかけて文字通りのもみくちゃ。ハワイ・アメリカ二週間のハネムーンに出発しました。
北鮮帰還をめぐって(門司、下関、東京)
 二月十三日政府が“北鮮送還”を閣議了解によって決めたため、帰国の希望を叶えられることになった十一万人の人びとは早くも、帰国グループの結団を行い、準備に大童です。しかしこの決定で怒った韓国の柳公使は、日韓会談を打切り、抑留漁師は帰さないと強硬態度を表明。現在、釜山には一五三人の漁師が抑留されていますが、留守家族の代表たちは取り急ぎ上京し、何とか助けて下さいと涙乍らに訴えていました。深刻なショックをうけた西日本の漁業基地では、李ラインえ向け出漁する漁船は、不安な色につつまれ、海上保安部では厳重な警戒をつづけていますが、人道を守るための“北鮮送還”は皮肉にも、日本漁師の安全をおびやかすことになったのです。

原文

Chunichi news No.266