中日ニュース第264号
サケの誕生(帯広)
暦のうえではもう春。こゝ北海道帯広市の郊外では今年もまたサケ、マスの人工ふ化のシーズンを迎えました。
年々増加されて今年は二千万びきが目標だそうですが、日ソ漁業交渉も行われている折から、明るい雪解の話題でした。
キャンプ・イン(大阪・宮崎・鹿児島)
プロ野球各球団は二月一日いっせいにキャンプ・インしました。
大阪藤井寺では千葉新監督を迎えて意気盛んな近鉄バッハロー。
また昨年日本選手権をいつした巨人軍は、二年目に入った長嶋、新人王選手など人気スターを中心に水原監督の若手陣に寄せる期待は大きいようです。
又鹿児島県下湯の元球場では中日ドラゴンズが森選手、新人板東選手などを中心にすっかり若返り、優勝目指して猛訓練。
こうしてリーグ開幕までの二ヵ月火の出るようなトレーニングがつづけられるのです。
村のうたごえ(群馬)
南に浅間、北に白根の銀嶺を臨むこゝは上信越の国ざかい群馬県の「つまごい村」海抜千米、雪にとざされたこの地方は酪農が唯一の現金収入であるようです。
この地方は群馬交響楽団を生み、「こゝに泉あり」の舞台にもなるなど農閑期の今日この頃ではそこかしこで素朴なメロディーが聞かれます。
よる年波の老人も六十にして手習い。雪の降る日、今日は週に一度の練習日、こうして歌声は娯楽の少いこの土地の人々に愛唱され明るいハーモニーをかなでながら村から村へ、明日えの希望をつないでいます。
カメラ・ルポ 恐怖の町
一月二十七日夜、自転車に乗った若い男が、鋭い刃物で九人の女性をつぎつぎにさすという凶悪な事件が東京荒川に発生しました。
心臓をさゝれ通り魔の犠牲となった荒川五中三年生田辺喜子さんは、すでに就職も決り卒業をまつばかりの娘さんでした。
東京名物 おばけエントツの見える荒川地区は零細企業の密集した町で通り魔の犯行は二十一件にものぼりました。
町では早速対策協議会を開いて町ぐるみで犯人のタイホに協力。
物々しいイデタチで夜まわりです。
街灯もない暗い町の恐怖から一刻も早く犯人をタイホして明るい町にして欲しいものです。
Chunichi news No.264