中日ニュース第263号
総裁公選始末記(東京)
一月二十四日総裁公選の前日、反主流派は岸さんに対抗して、松村謙三さんを候補にかつぎ、敗けを承知の選挙戦にスタートしました。
“金のかからない政治”を看板にした松村派では、電話と電報で票集めを展開すれば、岸派の方でも、主流派のメンツにかけて、猛烈な争奪戦を展開しました。
結局予想通り岸さんの大勝となりましたが、松村さんが一六六票集めたことは、反主流派の結束を示したもので、“敗れるが勝ち”という松村さんの言葉どうり、岸さんの前途は、ますます多難です。
女町長リコール騒動(茨城)
人口僅か二万たらずの茨城県小川町に全国で初めての女町長が生れて一年九ヶ月になります。
ところが昨年の夏、防衛庁は百里ヶ原をジェット爆撃機の実験基地として工事に着工。基地反対を公約した町長の山西さんは、自から反対運動の先頭に立ちました。
しかし、あくまで基地誘致を主張する前町長一派は、山西さんの失脚を狙ってひそかに相談、そして町議会に働きかけて議会の解散と町長の解任を追ってリコールを請求したのです。
味方も少なく苦境に立った山西さんは日旺日も返上して連日連夜町政の説明に東奔西走。このため町長を支持する人々も次第に増え、愛町同志会も結成されるなど深まる対立のなかで二月七日の賛否投票が注目されています。
カメラ・レポート 灰色の行列 受験地獄(東京・千葉)
受験生たちの頭の痛いシーズンが、今年もやって来ました。
おかげで、試験屋さんが大繁盛しています。小学校では母親までがテストされています。
“三当二落”つまり家庭教師を三人つけなければ試験にパスしないとか、学生教師はうけに入っています。
大学行フリーパスをめざす受験生たちが慶応中等部へどっと押しかけ文字通りの受験地獄をくりひろげました。
千葉県の飯高さち子さんは一月二十六日勉強中あやまってガス中毒死、悲しいギセイ者になってしまいました。
小学校から大学までのこのくるしみ、この受験地獄のなくなるのはいつの日のことでしょうか。
Chunichi news No.263