映像チュウニチニュースダイ259ゴウ V1H2320200127

中日ニュース第259号

撮影年月
1959年(昭和34年)12月頃
コレクション(提供者)
中日ニュース
撮影
発行
中部日本ニュース映画社
製作
中部日本ニュース映画社
配給
時間
8分48秒
米国国立公文書館オリジナル番号
館内限定公開 色彩無 音声有 貸出不可
内容

岸さんに苦難の年
 警職法の失敗以来、落目になった岸さんが、自民党総裁のイスを守るため公選の一月強行を決めたのは、反主流派を強く刺戟し、十二月二十七日、主流、反主流の妥協工作もついに実を結ばず、反主流の池田、三木、瀬尾の三閣僚が辞表を叩きつけました。
 主流派でも河野さんらが、辞めたいなら勝手に辞めろと居直り、自民党はついに事実上分裂するに至りました。
両岸ではやってゆけなくなった岸さんにとって、今年は荊の道になりそうです。
新春の皇太子さま
 新春の皇居大内山が初めてカメラに公開されました。
今年は皇太子さま御成婚の年とあって、皇室御一家の新年のおよろこびも事のほかのようです。
 美智子さんの印象を語られる皇太子さま。
ともあれ国民に祝福された御二人にとって、今年は最良の年となることでしょう。
今年の人気もの(東京・神奈川・岐阜)
 人里はなれた岐阜県の山の中に、このほど意地の悪い何者かが巧妙なワナを仕掛けました。
 おいしそうなエサに惹かれたのが運の尽き。ことこゝに到っては坐して沈黙を守るのみ、とはいえ、人間様のヒューマニズムを望んでやみません。
 一方、ボクも神奈川県の丹沢で生捕られ、牛の乳で育てられました。
でも登山者を見るとホームシックにかられます。
 こゝは東京の盛り場、新宿。都会生活は十年選手だが、ボクたちには山へ帰る移籍の自由はありません。
オヤジからよくショーマンシップがないと叱られますが、それでも結構人気者、新春におくるボクたちの話題でした。
カメラ風土記 祝島(山口)
 朝日に輝やく瀬戸の海、その昔、光のない灯台として知られた祝島は、戸数六百戸の小さい島です。家並はガッシリとした石垣にかこまれ、それを縫って走るアイゴと呼ぶ狭い露路。
裏山には十三町歩の水田があり、いまその水田をうるおす山頂の貯水拡張工事に懸命です。
 また、島では一年中鯛を獲るので有名。荒海に二百五十米ほどの網をながしてとるこの方法はゴチ漁といゝ、木づちをたゝきながら獲物を追込むのがその特徴です。
 年間の水あげは五千万円、メデタイ鯛漁にあけくれるこの島は文字通りの祝島です。

原文

Chunichi news No.259