新日本ニュース第23号
1.“社会秩序の保持”政府遂に声明
声明を発表する林譲治書記官長「労働争議で暴力行為があれば組合、経営とを問わず厳重に取り締まる。生産管理は正当な行為とは認めがたい」。政府声明に反発する組合。神奈川県にある東芝労組連合会事務所で「生産管理が社会秩序を破壊するというのは真赤な偽り」と話す組合幹部。全国車両産業単一組合の大会で政府声明に絶対反対と発表する組合幹部と拍手する組合員。
2.天龍川 治水工事成る
天竜川上流の流れと完成した用水路。天竜川のせきを爆破し、用水路に流れ込む水。天竜川用水計画新設水路の地図。用水路に流れ込む天竜川の水を見つける地元の農民。
3.時間を大切に 六月十日・時の記念日
NHKの時報 時報放送用の設備と時報。7時を知らせる女性アナウンサー。時報に合わせて時計を調整する人たち。鉄道の到着時刻は正確か。13分遅れて東京駅に到着した列車とホームの時計。開会の遅れる地方長官会議。9時5分を示す時計。定刻出席は1人。警視庁の落し物の時計。
4.時の話題 サーベルから警棒へ 群馬県
前橋警察署で行われた警棒授与式で署長から警棒を受け取る警官。警棒を使っての格闘訓練。橋のたもとで警棒で交通整理をする警官。
5.どちらが早いか? 静岡・東京
品川駅操車場の蒸気機関車とアメリカから到着したディーゼル機関車。50両の貨車をひっぱれるというディーゼル機関車の走り。静岡県の藤枝――御前崎間を走る明治26年製造の蒸気機関車の列車。満員の客車の入り口にしがみついて乗る客。貨車の上にも乗客を乗せて走る列車。
6.角つきあわせて 愛媛県宇和島
観客の多数集まった闘牛場。闘う牛。熱心に見つめる観客。
7.みなさんの声
戦争未亡人はどうしている 投稿者 茨城 横島菊之助さん
6月9日 京橋公会堂で開催された戦争犠牲者遺族同盟結成大会会場。自分を救うものは自分以外にはないと発言する婦人。日本ニュースで実施した戦没者妻237人の実態調査のデータ。調査用紙を調べる女子職員。焼け跡のかわらを片づける女性(雑役7人)。露店と通行人、くつみがきの女性(露店商13人)。レンズをみがく女性(女性従業員27人)。そろばんをはじく女性(事務員48名)。ミシンを踏んだり、製本作業をする女性(手内職53人)空き地での農作業(無職89)。武蔵野母子寮。母子寮内で暮らす母親と子ども、飾られた亡夫の写真や小さな鏡それに炊事場。東京都厚生事業協会江東橋母子会館。戦災にあって修理のすんでいない建物外景。コンクリートの床の上に畳を敷いただけで間仕切りのない大部屋。亡夫や子どもの写真。野草の混じったご飯の食事。主人がいなくても女手で子どもを育てられるようなよい世の中になるようにしていただきたいと話す女性。
New Nippon news No.23