映像チュウニチニュースダイ257ゴウ V1H2020000051

中日ニュース第257号

撮影年月
1958年(昭和33年)12月頃
コレクション(提供者)
中日ニュース
撮影
発行
中部日本ニュース映画社
製作
中部日本ニュース映画社
配給
時間
8分42秒
米国国立公文書館オリジナル番号
館内限定公開 色彩無 音声有 貸出不可
内容

揺らぐ屋台骨――議長選挙をめぐって
 通常国会の冒頭、国会正常化をめざす正副議長の人選は、社会党の正木副長候補が野党攻勢の隊長だったというので自民党が受け入れず、一方、自民党内でも主流派と反主流はの最大公約数をとって、加藤氏を議長候補に決めたものの、反主流派が一斉に蜂起し、岸主流派の屋台骨は、がたがたに揺れてしまいました。
 結局は、岸さんが折れて、反主流派の意見をきき事態を収拾しましたが、漁夫の利を得たのは社会党の正木さんです。
 熊狩りの大将が熊さんを仕とめてしまいましたが、ともかく国会は正常化へ一歩前進することになりました。
パリからのお客さま(東京・京都・奈良)
 作家として知られるフランスのアンドレ・マルロー国務相は十二月九日夫人と一緒に来日。
 古い都の観賞行脚が目的のマルローさんは、十一日早速、奈良・京都へ仏像の一つ一つをたんねんに見て歩きました。そして、京都の龍安寺の石庭ではわびの境地にひたっています。一方、十三日には、同じパリからテアトル・バレー団が来日。早速服部・島田バレー団でリハーサルを行いました。一九五八年のフィナーレを飾るにふさわしいフランスからのお客さんです。
カメラ・ルポ
 “血ぬられた勤評斗争”(東京・群馬・高知) 十二月十日勤評反対統一行動デーには全国三十五万の先生が参加して盛大に行われました。しかし小林日教組委員長は五日後の十五日、高知県仁淀高校で開かれた会議に出席中地元父兄二百名に闇打ちをかけられ重傷。父兄の怒りも暴力沙汰になっては手がつけられません。一方群馬県沼田市でも、十二月はじめから先生の授業放棄がつづき、父兄との間に深刻な対立を巻き起していました。そして十日の統一行動デーには千人の父兄が、すわりこみの先生をとりかこんで乱斗騒ぎを起したほか幾度か暴力沙汰を引きおこしました。文部省や、教育委員会には強く反抗して来た先生たちも、一部父兄の思いがけない妨害には苦しい立場となりました。今年の教育界は急な勤評実施に血をみるまでの深い対立をひきおこし、いくつかの問題を残したまま新しい年を迎えようとしています。

原文

Chunichi news No.257