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中日ニュース第256号

撮影年月
1958年(昭和33年)12月頃
コレクション(提供者)
中日ニュース
撮影
発行
中部日本ニュース映画社
製作
中部日本ニュース映画社
配給
時間
8分37秒
米国国立公文書館オリジナル番号
館内限定公開 色彩無 音声有 貸出不可
内容

貞永強豪を破る 朝日国際マラソン(栃木)
 フィンランドの強豪カルボーネンら世界三選手を迎えた第十二回朝日国際マラソンは十二月七日宇都宮の栃木県営競技場を一せいにスタート。日光街道往復四十二キロのコースを六十九選手一団となってすゝみます。快晴のこの日は、選手たちも汗ばむ程の暖さ。折返し点では山之内がトップ、つづいてミハリッチです。
 しかし後半自重していた貞永が、見事に追い込み、カルボーネンとのせり合いを最後のトラック二周まで持込み、ついに振り切って二時間二十四分一秒で初優勝しました。
王子製紙に明るい笑顔(苫小牧)
 十二月九日、王子製紙第一組合は暁の大会を開いて一斉就労を認めた中労委の中山仲裁案を受諾し、スト解除を指令、会社側もロックアウトを解き、一四五日に及んだ王子争議はついに解決をみました。
 喜びに湧く第一組合にひきかえ、工場内に寝泊まりしていた第二組合員は複雑な表情でしたが、敵と味方に別れていたスト中のいざこざはともかく、長かったストの解決でホッとした明るい空気をとり戻しました。
 仲裁案によって二十五日から一斉就労するとこになっていますが、分裂した組合の整調や労働協約の交渉など問題はなお今後に残されています。
週間話題
 年末闘争で郵便遅れる(東京・名古屋) 年末手当二ヵ月分を要求する全逓労組ら二千人が十二月八日、郵政省へ集団陳情。団体交渉開けと気勢をあげ、警戒中の警察官とはげしくもみあいました。この斗争で四十六万通の郵便が滞貨。アルバイトではなかなかはかどりません。しかし十日早朝、組合側が一・九ヵ月分の年末手当をのみようやく妥結。心配されたこれからの郵便物のおくれも解消したようです。
 テニスの一日 皇太子さまと美智子さん(東京)
からりと晴れた十二月六日。皇太子さまと美しいフィアンセ美智子さんが御婚約以来初のテニスを楽しまれました。美智子さんのミスには皇太子さまも大丈夫大丈夫と元気づける優しいコートマナー見せています。テニスで結ばれた皇太子さまとミッチが、今年の八月以来、久し振りに楽しまれたなごやかなコートの一ときでした。
カメラ・スケッチ
 海と山の世界一(広島・山梨) その昔、戦艦“大和”を生んだ呉のドックでこの程造船史上最大といわれるマンモス・タンカーが進水しました。
 この船はユニバースアポロ号といわれ、十万四千五百トン、総工費も五十五億円、東京駅がスッポリ入るという巨大な代物。来春早々処女航海につくことになっています。
 一方こちらは“また旅”ものでなじみぶかい甲州街道。昔ながらに馬の背で行く山梨県の笹子峠にこの程世界一長いトンネルが完成。事故を未然に防止するため電話機や蛍光灯まで備え付けた近代的なもの。
 十二月七日天野知事、岸道路公団総裁らが出席して華やかに渡り初めが行われました。
 こうして東京、甲府間も二時間半に短縮され、県民の多年の夢がみのったのです。
 この日山麓の村は祝賀行事で彩られ人々の歓呼が遠く大菩薩の連山をゆるがしていました。

原文

Chunichi news No.256