中日ニュース第248号
巨人 西鉄を猛打――日本シリーズ――
一九五八年度プロ野球の王座をかけた日本シリーズ巨人・西鉄戦は、十月十一日超満員の後楽園で開幕。巨人は、西鉄のエース稲尾をはじめ四人の投手に十六安打を浴せて大量九点をあげて西鉄に圧勝しました。
翌十二日の第二戦も、巨人は西鉄の先発島原の不調に乗じ、救援畑の出鼻もたゝいて打者一巡の五安打を集中、二つの四球、一つの死球を含めて、一回ウラ無死で一挙七点を奪ってすさまじい打棒で西鉄の斗志をくじきました。
その上十四日の平和台の第三戦もかちとって三連勝をあげた巨人は、宿敵ライオンズ打倒の激しい斗志を見せました。
カメラ・ルポ
激突する 警職法(東京・静岡) 警察官の職務権限を大幅に拡大、強化する「警察官職務執行法改正案」をめぐり、与野党は激しく対立、このため国会は異常な空気に包まれました。
社会党があらゆる委員会の審議を放棄してこの法案に反対する最大の理由は、この法律が「公共の安全と秩序」に名をかりて権限を拡大し、その実力行使を警察官の任意な判断にまかせるという点にあります。
かって、行政執行法や治安警察法のもとで“自由と平等”を叫んだ民の声も淳風美俗とか、公序良俗とかいうまことしやかな美名の蔭に葬り去られてしまったのです。
そして、多くの友を暗黒の祭壇におくり、自からも嵐のような弾圧のなかで血のにじむような体験をしてきた革新系の議員は、再度民の犠牲の上にそゝり立つ暗い警察国家の復活を心配しているのです。
十月十四日には、日教組の集会に右翼が発煙筒を投げこむという騒ぎをおこしましたが、こうした右翼の挑発行為によって「公共の安全」がそぐわれるという名目で民主的な会合も、警察官の任意な判断で中止、解散ということもできるのです。
こうして警察官の職務を拡大しその権限を強化して一人の犯人を挙げようと狙っているのですが、憲法や刑事訴訟法では、九十九の真犯人をのがしても、無実の一人を犯人にデッチ上げないことが、人間の基本的人権を守るために大切であると名記され“疑わしきは罰せず”として人権を尊重しているのです。
Chunichi news No.248