中日ニュース第247号
共同防衛へ足がため(東京)
日本の防衛力の増強とひきかえに、アメリカにおんぶしたかたちの日米安全保障条約を改訂する、日米交渉が十月一日から始まりました。
おりから四日にはアメリカのマイケルロイ国防長官が来日し、佐藤防衛庁長官、藤山外相、岸首相とそれぞれ、個別に話し合いましたが、台湾問題でアメリカが苦境に立っている時だけに注目されました。
安保条約の改訂では、核兵器の持込みや、海外派兵など、日本側も共同防衛の義務を負はされることになっているので、憲法の枠内では済まないとみるむきが多いようです。
カメラ・ルポ
通信部記者(岐阜)
ここは山あいにけぶる岐阜県八幡町。通信部記者は毎日ニュースを求めて大活躍。ます町の警察では、顔なじみのお巡りさんから事件ネタを、役場では町の景気調査です。
家では、奥さんも御主人を助けて大いに働いています。
本社に原稿を送ったり、新聞の切抜きをしたり、まさに一家ぐるみでニュースを追っているのです。
地方文化のにない手、通信部記者はこうして、ニュースに明けくれる生活を送っています。
台風あと始末(静岡)
あれから二週間。泥と流失物に埋った伊豆被災地には、今日もツチ音高い復旧作業が続けられています。
そして、二百名を超える行方不明の遺体の収容が、あの日の暗い悲しみをかきたてています。
こうした中で、山口国務相一行が現地を視察。十年前工事半ばで放り出されて、今度の被害を大きくしたとも云われる放水路を見ましたが、今ではあとの祭り。
旅館に帰った大臣へ、顔が売り物の地元の代議士が、有力者をひきつれ陳情です。つづいて十月五日、ヘリコプターに乗って岸首相が現地を訪れ、聞くよりひどい惨状と人々を前に神妙な表情です。
然し復旧のさ中、無情に降りつづく雨のたびに傷だらけの狩野川は水カサを増して、連絡がとだえ、作業もなかなかはかどりません。
そして被災者達は家族や病人だけで、足の踏み場もないバラック小屋で、迫り来る寒さにふるえているのです。
Chunichi news No.247