映像チュウニチニュースダイ240ゴウ V1H2020000038

中日ニュース第240号

撮影年月
1958年(昭和33年)8月頃
コレクション(提供者)
中日ニュース
撮影
発行
中部日本ニュース映画社
製作
中部日本ニュース映画社
配給
時間
8分16秒
米国国立公文書館オリジナル番号
館内限定公開 色彩無 音声有 貸出不可
内容

一、琵琶湖の夏
 日本一の湖、琵琶湖の夏は今年も海・山に負けない賑いを見せ、観光船は今にも沈みそうな程のお客を乗せて走り廻る繁昌ぶりです。
 この湖に浮ぶ周囲十キロの沖の島は戸数百四十二戸の琵琶湖では一番大きな島です。ここに住む人達の殆んどが漁で生計を立てています。
 夜明けの五時ともなると夫婦揃って沖の仕事場へ、今がシジミとゴリの最盛期とあって女達も総出で仕事をしています。華やかな観光地とうらはらにさゝやかな獲物で生計を立てる島の人達の姿です。
一、微妙な米ソの動き
 緊迫した中東情勢をめぐって八月三日北京で行われた毛沢東、フルシチョフ会談のコミユニユケ調印は足並の揃はなかった西欧側に大きな衝撃を与えました。
 こうした中で八月八日から開かれた国連緊急総会には冒頭、アイゼンハウワー大統領が登壇国連平和軍の設置、暴動、内戦の取り締りなど中東平和の六原則を提案すれば、グロムイコソ連外相は中東に介入した米英軍の即時撤退が先決だと強くきめつけました。
 こうして十五日藤山外相が立って日本の立場を明らかにするなど、国連にもちこまれた中東問題のなり行きが注目されます。
一、嫌われた新兵器
 防衛庁がスイスから買った対空誘導弾エリコンを乗せた有馬丸が十七日横浜に入港しました。
 ところがそんな物騒なものは御免蒙ると沖沖仕組合は陸揚げを拒否して海上デモを行うなど陽の目も見ないうちに新兵器はすっかり嫌われてしまいました。
 あわてた防衛庁では早速沖沖仕組合の代表などを呼び、懸命の説得を行いましたが結局話合はまとまらず、三億六千万円の物騒な買物は海の上にしめ出されています。
一、流血デモ
 勤評反対のデモ行進に右翼団体の乗用車が突入し、この騒ぎにかけつけた警官隊とデモ隊が大乱斗となる事件が八月十六日和歌山市でおきました。
 全学連の学生など約千名と警官隊との争いは手のつけられない大混乱におちいり、ついに双方から百二十名にのぼる重軽傷者を出すという流血の騒ぎとなり、この乱斗で逮捕者を出したデモ隊は更に警察署前に座りこみを行ってにらみ合いましたが、結局ゴボウ抜きの実力行使で解散。ついに血を流した勤評斗争はドロ沼の様相を見せています。
一、日濠水の熱戦
 八月十四日から神宮プールで開幕した日本選手権水上競技大会は強豪オーストラリア選手をむかえて熱戦の火蓋をきりました。
 二百米背泳では期待された日本選手をしりめに、オーストラリアのジョン・モンクトン選手が堂々二分十九秒一の世界新記録で優勝、又平泳も二百米決勝でオーストアリアのテリー・ギャザコール選手が二分三十九秒一とこれも世界新で優勝するなど水泳王国の名を欲しいまゝにしました。
 然しバタフライでは日本選手の独壇上。百米決勝では石本、増永、開田の日本選手が堂々一位から三位なでを独占。石本選手は一分一秒三の世界タイ記録を出しました。
 いよいよ人気絶頂の若冠十六才ジョン・コンラッズ選手に第一日千五百で惜しくも破れた山中が再び挑戦する四百米自由型の決勝。然しここでも山中はコンラッズに名をなさしめましたが、最終日の二百米では二分三秒三の世界新で優勝名誉をばん回しました。

原文

Chunichi news No.240