中日ニュース第238号
一、無医村の“先生さま”
私達日本大学の医療班は、山形県の無医村作谷沢に入り、無料診療を始めた。
山を越え野を渡って集まって来た患者で、仮設病院の中学校は大賑い。全く感激である。
机を寄せ集めて作った急増のベッド、そして古畳の上に寝て貰ったが、腕の方と診療器具は最新式である。山奥では始めての大病院の事とて、戸惑いする人も多かった。
今日は往診。東京の医者にみて貰って、家族の人も本人もきっと安心したことだろう。
神さまのように有難がられ、私達は無医村の人達のために、もっともっと山の奥に入って行きたいと思っている。
一、平和行進焼津へ
原爆の地広島から東京へ一千キロ原水爆禁止の悲願をこめて歩きつづける平和行進は、途中福竜丸事件の焼津市にたち寄りました。
ここで原水爆禁止世界大会に参加するオランダ、ドイツの代表も加わり、久保山夫人と肩を並べて市中行進を行いました。
そして久保山さんの墓前にもうでた一行は原水爆禁止の願いを新たに、十二日の大会日をめざして東京への道を歩みつゞけています。
一、北極の観測基地
雪と氷に閉された北極の山々、この真白な極地の南端ベア島にこの程国際地球観測年のためソ連の観測本部が作られました。
これで北極の観測基地をもつのは米国とソ連の二ヶ国となり、この真夏とはほど遠い酷寒の極地にも米ソのセリ合がつゞけられています。
カメラスケッチ
一、真夏のパトロール
本格的な真夏を迎え、海に山にお巡さんの忙しい季節となりました。
こゝ日本のマイアミと謳れる湘南の海は裸の天国。そのなかを正服正帽でパトロールするお巡りさんの苦労も並たいていではありません。
こちらは山の銀座といわれる上高地、こゝでも山の治安をあづかるお巡りさんが活躍しています。
また那須高原では今年はじめて乗馬隊の山岳パトロールが生れましたが、なれない馬のシツケに先ず一苦労です。
また山梨県の市川中学ではこのほど少年パトロール隊を結成しました。こうして夏休みに於ける青少年の犯罪防止と保護は全国各地で行われ、東京警視庁でも補導にひと汗かいていますが、明けっぱなしの真夏の賑いの蔭にパトロールの苦労も大変です。
Chunichi news No.238