映像チュウニチニュースダイ237ゴウ V1H2020000035

中日ニュース第237号

撮影年月
1958年(昭和33年)7月頃
コレクション(提供者)
中日ニュース
撮影
発行
中部日本ニュース映画社
製作
中部日本ニュース映画社
配給
時間
8分51秒
米国国立公文書館オリジナル番号
館内限定公開 色彩無 音声有 貸出不可
内容

カメラ・スケッチ
一、真夏の夕宴(東京・広島)
 七月二十四日夜、国立競技場で野外納涼まつりが賑やかに開かれ、浴衣姿の盆踊りや、美しい野外バレーをくりひろげました。
 また二百年の伝統を誇る両国の川開きも七〇万人の人出。一万五千発の花火が夏の夜空に江戸模様を競いました。
 一方、二十九日の広島は、オールスター戦を迎えました。
初めての夢の球宴を迎えてスタンドは納涼をかねたファンたちで超満員の盛況です。
 試合は西鉄の中西のスリーランホーマーを加えて大量八点を挙げたパシフィック軍が大勝して平和台の雪辱を見事とげました。
一、松川事件の疑問
 三鷹、下山事件と並び“世にも不思議な犯罪”として注目されている松川事件の現地調査がこの程行われました。
 この事件は昭和二十四年八月十七未明、青森発の旅客列車が松川駅近くで脱線転覆、乗務員三名が死亡したものです。調査団は保釈中の被告を中心に全国各地から八百余名が集まり、判決の裏付けになっている赤間被告の自白をめぐっていくつかの実験を行いました。
 即ち、バールとスパナを使用する列車転覆の脱線作業。次いで足の悪い高橋被告が五十五分で歩いたといわれる七、五キロの歩行実験。そして事件当夜を再現した検証など。
 こうして松川事件は、深い謎につゝまれたまゝこの秋ひらかれる最高裁の審理が注目されていますが、当の赤間被告は、警察での取調べについて自供の任意性を否定、苦しかった拷問の事実を訴えています。
一、台風・豪雨大あばれ(東京・岐阜・石川・長野)
 台風十一号は、七月二十三日静岡県から関東にスピード上陸。各地に大きな被害が続出しました。
 しかしこのあとも停滞前線の豪雨が襲来。岐阜県では飛弾川がはんらんして高山線はズタズタ。石川県七尾市も濁流に洗われてむざんな有様です。
 長野県でも上高地に向う登山者たちが足を奪われ、山にも二千人余りの登山者がとぢこめられました。
 こうして狂った夏の台風、豪雨に見舞われた全国の被害は四十三億円にのぼり、日照りのあとの恵みの雨も、とんだツメあとを残しました。

原文

Chunichi news No.237