中日ニュース第236号
1.夏やすみ(東京・愛知)
いよいよ夏休み。きょうは一学期の終業式です。みんな通信簿をいただきましたが、一年生には始めての通信簿。こればかりは楽しい夏休みとは違って、ちょっと心配のようです。そのあと、先生からいろいろ夏休みの注意があり、特に危い遊びをしないようにとお話がありました。こうして、楽しい夏休みが始まりましたが、愛知県高蔵寺で、もういたいけな犠牲者が出てしまいました。松本勝道君は池で遊んでいるうちに溺れてしまったのですが、両親は、すっかり悲しみにくれています。こうした折、愛知県の富山村では、危い遊び場をなくすために子供の広場を作ることになり、毎日、子供と大人が協力して作業をしています。このようにして、危い遊びから子供たちを守り、夏休みを楽しく過させてやりたいものです。
2.“若乃花”優勝 名古屋場所
七月二十日は大相撲名古屋場所千秋楽。いよいよ優勝をかけた若乃花、栃錦、両横綱の対戦です。両者激しく立合い、ガップリ左四つ。慎重に機をうかがいあううちに、栃吊り身に出ようやく若は右上手を取り、充分な体勢となりました。若、とっさに右から上手投げを打てば、流石の栃もたまらず土俵上に横転。若乃花の優勝がきまりました。十三勝二敗、横綱になって初の優勝に輝やいた若乃花のパレードは、さしもの広小路通りを大変な人出で埋めきってしまいました。
3.特集 激動するアラブ
一九五七年、エジプトの一下級将校ナセルによって行われたファルーク国王の追放は、中東の民衆を独立の斗いに起ち上らせ、スエズの動乱の後、エジプトはシリアを合併してアラブ連合共和国をこしらえ、アラブの民族主義は、西欧の植民地支配にたいして大きな結束を固めました。これにたいし、米・英は、バグダット条約反共軍事同盟を足場として、イラク、ヨルダン、イラン、トルコなど残る王国の結束を促し、ヨルダンとイラクは西欧の軍事援助のもとでアラブ連邦を結成したのです。こうした中で、一新聞記者の暗殺に端を発したレバノンの内乱は、親西欧的な政府に反感を抱く民族たちが武器をとって斗い、ベールートでは激しい市街戦が行われ、西欧はここでも敗北するかにみえたのです。そして七月十四日、隣のイラクでは将校グループがクーデターを決行して、ファイザル国王とイラー皇太子を殺害、中東の足場を崩されたアメリカは直ちに海兵隊を派兵しイラクの革命が他の国へ波及するのをレバノンから懸制する武力介入に出ました。次でイギリスもヨルダンに軍隊を降下させ、中東はスエズ動乱を上廻る緊張がみなぎりました。直ちに開かれた国連の安全保障理事会では、各国が米・英の行動を非難し、特にソビエトの武力介入は世界戦争を招くものとして注目されています。こうした中で、ナセル首相は若し、米・英がイラクに侵入すればソビエトの援助を求めると声明、高まるアラブの民主主義と、追いつめられた西欧の対立そのままに、イラクの国境地帯は不気味な緊張につつまれています。
Chunichi news No.236