映像チュウニチニュースダイ235ゴウ V1H2020000033

中日ニュース第235号

撮影年月
1958年(昭和33年)7月頃
コレクション(提供者)
中日ニュース
撮影
発行
中部日本ニュース映画社
製作
中部日本ニュース映画社
配給
時間
8分29秒
米国国立公文書館オリジナル番号
館内限定公開 色彩無 音声有 貸出不可
内容

一、帰って来た密出国者
 中共からの最后の帰国船白山丸で七月十三日五百七十九人の引揚者が帰国、桟橋はいつに変らぬ感激の対面の場となりました。
 ところが、この船には中共へ密出国した日共グループ六十五人が混じっていると云うので、警察当局では逮捕状を発し警官六百人を出勤して警戒にあたらせました。
 こうして緊張した空気に包まれた中に密出国者達は、再三逮捕撤回を当局に要求しましたがいれられず、結局到着十時間后漸く上陸を開始、自分達から名前を名乗って警察側に逮捕されて行きました。
 そして東京などの関係者は直ちに京都から列車で護送、品川と東京駅に分散して下車、仲間たちの出迎えにも元気に答え乍らタクシーで東京警視庁に連行されました。
 然し彼らは取調べに対しても黙秘権を行使しているため、突然の今度の帰国の目的がなんであるかまだわかっていません。
一、アルバイト女学生ら十二名惨死――製薬工場爆発――
七月十五日の午后四時頃、東京大田区の住宅街にある製薬工場が突然爆発、アルバイトの女学生など女子従業員十一名が死亡、二十三人が重軽傷を負うと云う惨事を引きおこしました。
 めちゃくちゃにくづれ落ちたざんがいの下から冷たいむくろがつぎつぎに運び出され、又近くの病院に収容された負傷者のいたましい姿は見る人の涙をさそいました。
 報道陣に囲まれた高園社長は、申し訳ないと繰り返しうなだれるばかり、皮肉にもお盆におきた惨事でした。
一、安藤親分ついに逮捕
 七月十五日、横井事件で全国に指名手配されていた安藤組の親分安藤と幹部久住呂の二人が神奈川県葉山の貸別荘で三十五日ぶりに逮捕されました。
 特別捜査本部で取り調べを受けている安藤は、全面的に容疑を否認していますが、本部では安藤の指令で久住呂ら幹部数人が襲撃を計画したものとみております。
 今まで名だたる大親分の捜査には、自首を待つという不明朗な取引きが噂されて来ました。しかし岸首相直々のお声がかりもあって本格的な捜査に乗り出した警視庁は、これでやっと面目を保った訳です。
カメラ・スケッチ
一、“お化け”繁昌記
 お化けのシーズンがやってきて、三遊亭志ん蔵さんが真に迫った名演技を御披露、志ん蔵さんは今年七十才ですが、数少い名人の一人です。
 かき入れを迎えたお化けの製造元では、注文に応じてお岩さんや、お菊さんの大量生産に大童です。
 またお芝居の方では、うら若い女性の幽霊が登場しお笑い化け猫などが人気を呼んでいます。
 遊園地でも夏枯れ解消へお化け屋敷をこしらえ、連日こわいものみたさのお客さんを集めていますがどこのスリラー・ショウも、若いアベックで大変な騒ぎです。
 名古屋の仁王通りでは名物のお化け市が始まり、夏枯れをかこつ商店街が、「不景気うらめしや」とお化けにおやかった大売出しをしています。
 どうやら今年もお化けの当り年になったようです。

原文

Chunichi news No.235