映像チュウニチニュースダイ233ゴウ V1H2020000031

中日ニュース第233号

撮影年月
1958年(昭和33年)6月頃
コレクション(提供者)
中日ニュース
撮影
発行
中部日本ニュース映画社
製作
中部日本ニュース映画社
配給
時間
9分03秒
米国国立公文書館オリジナル番号
館内限定公開 色彩無 音声有 貸出不可
内容

一、スポーツ
☆水に踊る
 水しぶきをあげてサマースポーツの花形水上スキーリヨンの競技大会では、名人たちが湖の上に鮮やかなスラロームを描いています。
 また伊東の海岸でもレースが行われ、荒波の上に涼味満点のスピードを競いました。
☆日本チーム三つの世界新――ロス国際水上
 ロスアンゼルスの国際水上では、一五〇〇米自由型で宿敵ローズに挑む山中の力泳が期待されましたが、ついに雪辱ならず四〇〇米でも世界新記録をマークしながらローズの前に屈しました。
 しかし平泳の古川、背泳の長谷は期待のレースを展開して米濠を退け、バタフライの石本は自己の持つ世界記録を更新、また日本チームは四〇〇米メドレーにも世界記録を樹立しました。
一、混乱果てなし――勤評をめぐって
 勤務評定の実施をめぐる和歌山県の反対斗争第二波は、一部賛成派の挑発もあって再度警官隊が出勤するという騒ぎを招きました。
 このため先生や支援労組は尻上りの結束を強め、六月二十五日には小・中・高の先生一千名が人事委員会へ押駈け、抜打ち決定に反対してサミダレ陳情。
 折から衆議院文教委員会では校長先生の手当を審議中、採決を急いだ委員長が質疑を打切ったため社会党委員が詰寄り委員長の不信任をかざして委員長席へ殺到するなど、混乱のうちに自民党は数にまかせて押切りました。
 こうした一連の動きに教育の逆コースを叫んで全学連は文部省に座込み、出勤した警官隊のゴボウ抜きに低い姿勢で無抵抗の抵抗。
 こうして勤評をめぐる彼我の攻防は和歌山県を突破口に果しない混乱をつゞけでいますが、日教組と共に部落解放同盟も立上がりました。貧しさが故に、環境が故に、長い間世間から白眼視されてきたこの人たち。満足に学校へも通えない子弟たち。
 こうした不幸な子等のために和歌山県では特殊学級を設けて大きな効果をおさめていますが、勤評の実施によって特殊学級に熱意を示す先生がやがてなくなるのではないかと心配されているのです。
一、東は日照り西は雨
 今年の梅雨は五十八年ぶりという日照り続きで、東京の貯水地はすっかり干上ってしまいました。
 このため、水道は細々と流れるばかり。給食の中止になった学校では、お茶まで自前といった有様です、プールは全く空っぽ、銭湯も急造の井戸掘り最中ですが一堀り五十万円とあってはうらめしい空梅雨です。
 しかし、にわか作りの井戸水では飲料には適せず貯水に頼るほかありません。こういう訳で、バケツ屋さんは目下急ピッチで製造に追われ、バケツ屋さんだけが一人うけに入っています。
 また、消防署もどぶ川をせき止めて、貯めこみに大童。しかし「いざ鎌倉」ともなれば日頃の訓練も効果なく、水の方は一向に期待出来ません。
 できることと云えば類焼防止に壁を叩くのが関の山。専ら火の用心を警鐘乱打するだけと云った水キキンの世相です。

原文

Chunichi news No.233